古代シルクロードから冬のハルビンへ CGTN『The Vibe』が映す中国
2025年初頭に放送されたCGTNの国際ニュース番組『The Vibe』は、古代シルクロードから冬の観光、クルーズ経済、中国・アフリカ関係まで、多彩な中国の「いま」を切り取っています。本記事では、その4つのトピックを日本語で整理し、背景と意味を考えます。
古代シルクロードの記憶:甘粛省の簡牘を読む
番組のコーナー「History in Jiandu」では、紙が普及する前の中国で使われていた竹や木の札・簡牘(かんとく)に注目し、甘粛省で見つかった古代の簡牘を通じて、シルクロード沿線の歴史を紹介しました。
簡牘には、役所の文書や商取引の記録、個人の手紙など、当時の暮らしを映す情報が細かく記されています。番組では、こうした資料から次のようなポイントが浮かび上がると伝えています。
- シルクロードを通じた物資や人の往来が、地方の行政文書にも反映されていること
- 軍事や税制だけでなく、一般の人々の日常生活も読み取れること
- 紙以前の記録媒体が、現代の歴史研究にとって貴重な一次資料になっていること
歴史好きの読者にとっては、教科書の「シルクロード」という言葉が、具体的な文字や生活のディテールを伴って立ち上がってくる点が興味深いところです。
冬のハルビン:氷雪フェスティバルが生む観光の熱気
「Winter Tourism」のコーナーでは、中国東北部の都市・ハルビンが、氷雪フェスティバルをきっかけに観光のハイシーズンに入る様子が取り上げられました。
氷や雪で作られた大型の彫刻やライトアップされた建物、屋外アクティビティなど、厳しい寒さを逆手に取った観光資源が、国内外の旅行者を惹きつけているといいます。
冬の観光は、地域経済や街づくりとも関わるテーマです。番組が伝えるハルビンの姿は、寒冷地の都市がどのように「冬」を資産に変えているのかを考えるきっかけになります。
上海のクルーズ港にSilver Dawn到着:旅行ラッシュの象徴に
「China Travel Rush」では、上海が今年最初のクルーズ船「Silver Dawn」を迎えたと伝えています。大型クルーズ船の寄港は、観光やサービス産業にとって象徴的な出来事です。
番組では、クルーズ船の乗客が上海の街に繰り出し、飲食や買い物、観光を楽しむ様子を通じて、旅行需要の回復と都市経済への波及効果を描いています。
航空機だけでなく、海からも人の流れが戻りつつあるという点は、日本の港湾都市や観光地にとっても共通する関心事と言えるでしょう。
中国・タンザニア関係と中国語を学ぶ若者たち
「China-Tanzania Ties」のパートでは、タンザニアの学生たちが中国語(マンダリン)を学ぶ姿が紹介されました。番組によると、中国とタンザニアの二国間関係が深まるなかで、中国語を学ぶことが将来の仕事や留学の機会につながると考える学生が増えているといいます。
語学学習は、単なるスキル獲得にとどまらず、相手の社会や文化を理解する入り口にもなります。アフリカの若者が中国語を通じて中国社会に触れる動きは、長期的な人的ネットワークやビジネスの基盤づくりという観点からも注目されます。
同時に、この流れは日本の読者にとっても、「どの言語を学ぶか」「どの地域とつながるか」を考える参考事例になるかもしれません。
4つのストーリーがつなぐ過去・現在・未来
今回の『The Vibe』が取り上げたテーマは、一見ばらばらに見えますが、次のような共通点があります。
- 甘粛省の簡牘:古代シルクロードの記録が、現代の私たちに歴史を語りかける
- ハルビンの冬の観光:厳しい自然環境を創意工夫で強みに変えようとする地域戦略
- 上海のクルーズ船寄港:移動と観光の再活性化が都市経済を刺激する様子
- タンザニアの学生の中国語学習:国境を越える教育と人的交流の広がり
歴史・観光・経済・教育という異なる切り口を通じて、番組は「中国と世界のつながり方」を多層的に描いています。隣国の動きを日本語で丁寧に追うことは、私たち自身の社会や進路を考える際の鏡にもなり得ます。
スマートフォンでニュースを流し読みする時間の中で、こうした国際ニュースの断片をどのようにつなぎ、どんな問いを持ち帰るのか。そこに、オンラインニュースを読む私たち一人ひとりの役割があるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








