CGTN「The Vibe」で見る中国文化のいま:京族、新疆、氷灯、手仕事
2025年1月15日に放送されたCGTNの番組「The Vibe」は、中国本土と世界をつなぐ4つのストーリーを通じて、多様な中国文化の姿を映し出しました。本記事では、その内容を日本語で整理しながら、国際ニュースとしてどこが興味深いのかを見ていきます。
カルチャーを切り取る番組「The Vibe」
「The Vibe」は、文化や観光、ライフスタイルに焦点を当てたCGTNの番組です。今回取り上げられたのは、次の4つのテーマでした。
- Jing Culture:16世紀のベトナムにルーツを持つJing人の文化
- Winter Wonderland:冬の新疆で、寒さをものともせずに盛り上がる観光
- Welcoming Spring Festival:北京・龍慶峡景区を彩る氷のランタン
- Bridging Cultures:ロンドン在住のアーティストが紹介する中国の手工芸
いずれも、ニュースの政治面とは少し距離を置きながら、中国本土と世界の人々の日常や感性を伝える内容となっています。
16世紀ベトナムにつながる「Jing人」の文化
コーナー「Jing Culture」では、16世紀のベトナムにルーツを持つJing人の文化が取り上げられました。歴史の中で境界や移動を経験してきたコミュニティにとって、言葉、音楽、食べ物、祭りといった日々の文化は、自分たちが何者かを確かめる大事な手がかりになります。
番組が「branching from 16th century Vietnam(16世紀のベトナムから枝分かれした)」と表現している点は、文化が一つの場所にとどまるのではなく、長い時間の中で広がり、重なり合い、変化していく存在であることを示しています。国境をまたぐ歴史を持つ人々のストーリーは、移民や多文化共生が当たり前になりつつある現代に重なるテーマでもあります。
Winter Wonderland:寒いのに「熱い」新疆の観光
「Winter Wonderland」のコーナーでは、「天気は寒くても観光は熱い」と紹介される新疆の冬の観光が取り上げられました。雪と氷に包まれた風景は、夏とはまったく違う表情を見せます。
冬の新疆では、
- 雪景色を楽しむ観光
- 屋外のアクティビティやイベント
- 地元の文化や食を組み合わせた体験
といった形で、寒さそのものを楽しみに変える工夫が進んでいる様子がうかがえます。「寒いから行かない」ではなく、「寒いからこそ行ってみたい」場所として紹介している点が印象的です。
春節を迎える北京・龍慶峡の氷灯
「Welcoming Spring Festival」では、北京の龍慶峡景区で行われる氷のランタンが紹介されました。春節前後の時期、中国各地では新年を祝うイルミネーションやランタンのイベントが開かれますが、龍慶峡の特徴は、氷を使った幻想的な光の世界にあります。
氷のランタンが暗闇の中で色とりどりに輝く光景は、
- 厳しい冬の寒さを逆手に取った観光資源
- 伝統的な春節のにぎわいと現代的な演出の組み合わせ
として、国内外の観光客を引きつけています。春節(旧正月)は、中国本土の多くの人にとって一年で最も重要な祝祭であり、その雰囲気を視覚的に伝える場としても氷灯は機能しています。
ロンドンで中国の手工芸を伝えるアーティスト
「Bridging Cultures」のコーナーでは、ロンドンを拠点とするアーティストが、中国の手工芸を世界に紹介しようとする取り組みが取り上げられました。「Soft as silk(絹のように柔らかい)」という表現からは、布や糸、織物など、触感や素材感にこだわった作品が想像できます。
このストーリーが示しているのは、
- 中国本土の伝統的な手仕事が、海外のクリエイターによって再解釈されていること
- アートやデザインが、国境を越えた対話の「共通言語」になりうること
です。ロンドンのような多文化都市で中国の手工芸が紹介されることは、単なる「紹介」にとどまらず、日常生活の中に異なる文化が入り込んでいくプロセスでもあります。
2025年を振り返って見える「文化ニュース」の価値
2025年も残りわずかとなった今、年初に放送されたこの回の「The Vibe」を振り返ると、文化を切り口にした国際ニュースの意味が浮かび上がってきます。
- Jing人のように、長い時間と移動の歴史を背負うコミュニティの物語
- 新疆の冬の観光に象徴される、地域の魅力の新しい伝え方
- 龍慶峡の氷灯に見られる、伝統行事と観光の組み合わせ
- ロンドンのアーティストによる、中国の手工芸を通じた文化の橋渡し
これらは、地政学や経済ニュースだけでは見えてこない、中国本土と世界の人々のつながり方を示しています。文化や観光、アートに注目することで、私たちは隣国や遠い地域を「ニュースの対象」ではなく、「同じ時代を生きる人々」として捉え直すことができます。
スマートフォンで短い動画を眺める感覚で楽しめる一方、背景を考え始めると深掘りもできる──そんな情報の入り口として、「The Vibe」のような番組は、2025年の国際ニュース環境の中で重要な役割を果たしていると言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








