新年の中国文化と挑戦者たち CGTN「The Vibe」を読む国際ニュース
国際ニュースや中国の今を日本語で知りたい人に向けて、CGTNのカルチャー番組「The Vibe」が今年初めに取り上げた4つのトピックを整理します。新年の中国文化からスポーツ、実験音楽まで、「時間」をめぐる多彩な物語が並びました。
CGTN「The Vibe」が映した2025年初頭の空気
2025年1月21日に放送された「The Vibe」では、次の4つのテーマが紹介されています。
- 天津・Yangliuqing木版画による「New Year Paintings」
- Yuyuan Gardenランタンフェスティバル30周年の特別展示
- 元パン職人でオリンピックを目指すスノーボーダー、Zhang Jiahaoさんの挑戦
- 繰り返しのない音楽作品「Longplayer」のライブ・パフォーマンス
一見ばらばらに見えるテーマですが、どれも「新年」「節目」「長い時間」をキーワードに、今のアジアと世界の動きを映し出しています。
天津・Yangliuqing木版画 新年を告げる「New Year Paintings」
最初に取り上げられたのは、天津のYangliuqing木版画です。番組によると、この「New Year Paintings」は、精巧な木版の技と、ユニークで豊かなテーマ性で知られています。
新年に合わせて家に飾る絵画には、「良い年にしたい」「家族で幸せに過ごしたい」といった思いが自然に重なります。手仕事の細かさや色づかいに目を奪われる一方で、「なぜ人は新しい年に、改めて願いを描き直すのか」という普遍的な問いも感じさせます。
デジタル画像が簡単に手に入る時代だからこそ、版木を彫り、刷り上げるというゆっくりとしたプロセスが、時間の価値や記憶の残し方を改めて考えさせてくれます。
Yuyuan Gardenランタンフェスティバル 30周年の光のショー
続いて紹介されたのが、Yuyuan Gardenランタンフェスティバルです。今年は30周年の節目を迎え、特別展示が行われていると伝えられています。
暗い夜に灯るランタンは、単なる照明ではなく、「一年の始まりを祝う時間」を共有するためのメディアでもあります。色とりどりのランタンが並ぶ光景は、家族や友人と過ごす新年の高揚感を視覚的に表現するものと言えるでしょう。
世界各地で「ライトフェス」やイルミネーションが定着するなか、Yuyuan Gardenのランタンショーは、中国ならではのモチーフや物語を通じて、新年の夜を物語性のある空間に変えている点が特徴的です。
元パン職人Zhang Jiahaoさん スノーボードで新しい人生を切り開く
番組の中盤では、「Snowing for gold」と題して、元パン職人のZhang Jiahaoさんが紹介されました。今はスノーボーダーとして、オリンピックを目指して新たな高みをめざしているといいます。
安定した職業からスポーツの道へ舵を切るのは、誰にとっても簡単ではありません。「本当にこの道でいいのか」「失敗したらどうするのか」という不安を抱えながら、それでも挑戦を選ぶ姿は、多くの視聴者と重なるところがありそうです。
新年は「今年こそ新しいことを始めたい」と考える人が増えるタイミングでもあります。Zhang Jiahaoさんのストーリーは、職種や年齢にかかわらず、「どこからでも、いつからでも新しいスタートを切れる」というメッセージとして受け取ることができます。
終わらない音楽「Longplayer」 25年目に入った実験
番組の最後を飾ったのが、実験的な音楽作品「Longplayer」です。この作品は、同じパターンが二度と繰り返されない「non-repeating musical composition」として構成されていると紹介されました。
2025年現在、「Longplayer」は誕生から四半世紀を超え、第二の四半世紀に入りました。それを記念してライブ・パフォーマンスが行われたとされています。通常の楽曲が数分から数十分で終わるのに対し、終わりの見えない時間軸で設計された音楽は、「人間の寿命を超えるプロジェクト」をどう続けていくのかという問いを投げかけます。
私たちが日々追っている国際ニュースは、どうしても短期的な出来事に目が行きがちです。その一方で、「Longplayer」のような長期的な作品は、世代をまたいで続く時間感覚を思い出させてくれます。
「新年」と「時間」をめぐる4つの視点
Yangliuqing木版画、Yuyuan Gardenのランタン、Zhang Jiahaoさんの挑戦、そして「Longplayer」。今回の「The Vibe」が取り上げた4つのテーマには、共通して次のような問いが流れています。
- 新年という節目を、人はどのように祝うのか
- 伝統と革新は、どこで出会い、どう共存していくのか
- 自分の時間を、どのスパンでとらえるのか(今年、数十年、一生、世代を超える時間)
スマートフォンでニュースを追う私たちにとって、これらの問いは決して遠いものではありません。短い動画や投稿が次々と流れていく日常の中でも、ときどき立ち止まり、「自分は何に時間を使いたいのか」「どんな新年のスタートを切りたいのか」を考えるきっかけになるからです。
2025年も終わりに近づきつつある今、今年のはじまりに放送されたこうした物語を振り返ることは、自分自身の一年を見つめ直すヒントにもなります。伝統文化からスポーツ、実験音楽までをつなぐ今回の国際ニュースは、「時間の使い方」という、とても個人的で普遍的なテーマを静かに照らしているように見えます。
Reference(s):
cgtn.com








