中国の春節準備とナイジェリアのエコアート:CGTN「The Vibe」が映す暮らしの変化
国際ニュース番組 CGTN の The Vibe 2025年1月22日回は、中国の春節前の空気とナイジェリアの環境アートを一つの流れで見せてくれました。小年の大掃除から、1000年続く魚の灯籠、春節映画の前売り好調、そして「ゴミからアートへ」という環境への取り組みまで、暮らしの変化がコンパクトに凝縮されています。
番組 The Vibe が切り取った4つのトピック
この日の The Vibe が取り上げたのは、次の4つのテーマです。
- 中国の暦で小年と呼ばれる日と、春節前の大掃除、台所の神さまへの祈り
- 春節に行われる、1000年の歴史を持つ魚の灯籠作りの伝統
- 春節シーズンの映画前売り券が3億元(3億人民元)を超えたというエンタメニュース
- ナイジェリアで、捨てられた素材を使って作品を生み出す「ゴミからアートへ」の動き
一見ばらばらに見える話題ですが、どれも「身近な暮らしをどうアップデートしていくか」という共通の問いにつながっています。
小年:春節前に家と心を整える日
番組の冒頭で紹介されたのが、中国の暦における「小年」です。小年は、春節を迎える前に家を徹底的に掃除し、台所の神さまに祈る日とされています。
小年のポイントは、単なる掃除ではなく「新しい年を迎える準備」としての大掃除であることです。ほこりを払いながら、古いものや滞っていたものを一度リセットする。そのうえで、家族の食を預かる台所の神さまに祈り、来る一年の無事と豊かさを願う時間でもあります。
日本の年末の大掃除や正月準備にも通じる感覚があり、日常と信仰、家族の時間が自然に重なっている点が印象的です。国際ニュースとして見ると、「信仰」と聞くと特別な儀式を想像しがちですが、実際にはこうした日常の所作の中に深く根付いていることがよく分かります。
1000年続く魚の灯籠:春節を照らす手仕事
次に取り上げられたのが、春節に作られる魚の灯籠です。The Vibe は「1000年の歴史を持つ魚の灯籠作りの伝統」として、その制作の様子を紹介しています。
竹や紙などの素材を組み合わせて魚の形を作り、そこに灯りをともす魚の灯籠は、春節の夜を彩る存在です。長く受け継がれてきた技術や型がある一方で、現代的なデザインや新しい表現を取り入れる職人もいると考えられます。
大量生産の飾りが簡単に手に入る時代に、手作業で作る灯籠の価値が改めて見直されているのかもしれません。伝統というと「変わらないもの」のように聞こえますが、実は時代に合わせて少しずつ姿を変えながら、生き続けていることが伝わってきます。
春節映画の前売り3億元超え:消費と文化の熱気
番組はまた、春節シーズンの映画についても取り上げています。報じられたのは、「春節向けの映画の前売り券がすでに3億元を超えた」というニュースです。
前売り段階でこれだけの金額が動くということは、多くの人が早い段階から観たい作品を決め、席を確保していることを意味します。春節の映画が、家族や友人と過ごす「イベント」として定着している様子がうかがえます。
エンタメのニュースとしてだけでなく、次のような視点で読むこともできます。
- 外出や娯楽への意欲が高いことを示す一つの指標になっている
- 映画というコンテンツが、春節の「文化体験」として重要な位置を占めている
- 作品づくりの側にも、春節向けという明確なターゲットシーズンがある
国際ニュースを日本語で追う読者にとっては、「祝日の過ごし方」を通じて、社会の雰囲気や消費のムードを感じ取る手がかりにもなります。
ナイジェリアの「ゴミからアートへ」:環境と創造性の交差点
中国の春節関連の話題に続いて紹介されたのが、ナイジェリアのアーティストたちの取り組みです。The Vibe は、捨てられた素材を新たな作品に変えていく「From Trash to Art(ゴミからアートへ)」という動きを伝えています。
使われなくなったもの、廃棄されるはずだったものに手を加え、美術作品として再生させる。これは単に「リサイクルしています」と報告するだけではなく、環境問題への意識を、観る人の感情に訴えかける形で社会に投げかける行為でもあります。
環境を守るというテーマは、数字や政策として語られることが多い一方で、日常レベルでの行動変化がなかなか見えにくい領域でもあります。廃棄物をキャンバスにするようなアートは、「これは本当に捨ててよいものなのか」「そもそも何をどれだけ消費しているのか」という問いを、さりげなく突きつけます。
中国の春節のトピックと並べて紹介されることで、「祝う」「楽しむ」と「環境を守る」が対立するものではなく、同じ暮らしの中で同時に考えるべきテーマなのだと感じさせます。
伝統も環境も「暮らしをよくしたい」という願いから
小年の大掃除、魚の灯籠、春節映画の前売り、ナイジェリアのエコアート。The Vibe が並べて見せたこれらの話題は、一見するとバラバラですが、背景には共通した願いが見えてきます。
- 家と心を整え、良い一年を迎えたいという思い(小年)
- 地域の記憶と技を未来につなぎたいという思い(魚の灯籠)
- 家族や友人と楽しい時間を過ごしたいという思い(春節映画)
- 環境負荷を減らし、次の世代により良い地球を残したいという思い(From Trash to Art)
国や地域が違っても、「暮らしをよくしたい」という感覚そのものは共通しています。国際ニュースを日本語で読む意味の一つは、こうした共通点と違いの両方を、落ち着いて受け止める視点を持てることではないでしょうか。
日本でも、大掃除や年末年始の過ごし方、そして環境への向き合い方を考える場面が増えています。中国やナイジェリアの例は、私たち自身の暮らしを振り返るきっかけにもなりそうです。
日々流れていく国際ニュースの中で、こうしたカルチャーや環境をめぐる小さな変化に目を向けることが、世界との距離を少しだけ縮めてくれるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








