蘇州名物リス形揚げ魚 400年続く物語を味わう中国料理 video poster
中国江蘇省の都市、蘇州を代表する伝統料理「リスの形の揚げ魚」が、あらためて注目を集めています。一皿の中に、約400年にわたる物語と縁起の良さが詰まっているからです。
蘇州を象徴する一皿、squirrel-shaped mandarin fish
蘇州の代表的な料理のひとつが、squirrel-shaped mandarin fish と呼ばれるリスの形をした揚げ魚です。約400年前、乾隆帝に初めて供されたと信じられており、その長い歴史がいまも語り継がれています。
この料理の準備には、繊細な包丁技が欠かせません。魚の身に細かな切り込みを入れて立体的な形を作り出したあと、カラッと揚げます。仕上げには、甘みのあるトマトベースのソースをたっぷりとかけます。
- 魚の身を細かく彫刻するようにカットする
- 外は香ばしく、中はやわらかく揚げる
- 甘いトマトベースのソースを熱々の状態でかける
見た目のインパクトだけでなく、食感や香り、ソースの甘酸っぱさが重なり合うことで、蘇州を代表する味として愛されてきました。
名前の由来は「音」と「縁起」
この料理とリスはいったいどんな関係があるのでしょうか。その物語を教えてくれたのが、蘇州の老舗レストラン・得月楼で料理長を務める朱栄進さんです。朱さんは、蘇邦料理と呼ばれるこの地域の料理に精通した料理人でもあります。
朱さんは、料理を前にこう語りました。熱いソースを揚げた魚にかけた瞬間、「キュッ」と鳴るような音が立ち、その音がまるでリスの鳴き声のように聞こえるというのです。そこから、この料理はリスをイメージした名前で呼ばれるようになりました。
さらに、朱さんによれば、リスは現地の文化の中で幸運の象徴とされています。リスが木々の間を軽やかに飛び回る姿は、豊かさや実りを連想させる存在でもあります。縁起の良い動物を料理の名前に込めることで、食べる人の幸せを願う思いが表現されているのです。
味わうのは「技」と「音」と「物語」
このリス形の揚げ魚は、単においしい魚料理というだけではありません。細かな包丁技、揚げた瞬間の香ばしさ、熱いソースをかけたときの音、そしてリスにまつわる縁起の良いイメージが重なり、ひとつのストーリーとして完成しています。
2025年の今、旅行先や国際ニュースを通じて各地の食文化に触れる機会が増えていますが、こうした物語性のある一皿は、その土地をより深く理解するきっかけにもなります。蘇州のリス形揚げ魚は、料理が文化や歴史とどのようにつながっているかを教えてくれる、わかりやすい例だといえるでしょう。
次に中国の料理や食文化の話題に触れたときには、見た目や味だけでなく、その名前や作り方の背景にどんな意味が込められているのかを想像してみると、ニュースも旅も、少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








