山西省で春節の背氷パフォーマンス 氷塊を背負う男性たちの祈り video poster
中国北部・山西省永済市の雁鵲楼で行われた春節の行事で、男性たちが氷の塊を肩に担いで練り歩く「背氷」のパフォーマンスが披露されました。氷点近くの寒さの中で行われるこの中国ニュースは、極限の冷たさに耐えながら新年の平安と加護を祈る、印象的な風景を伝えています。
春節の永済市・雁鵲楼で行われた「背氷」とは
春節(中国の旧正月)の連休中、山西省永済市にある歴史的な楼閣・雁鵲楼では、新年を祝うさまざまな催しが行われました。その中でもひときわ注目を集めたのが、伝統的な「背氷」の演目です。
この「背氷」では、20人を超える男性たちが、上半身は裸で短いズボンのみという姿で登場しました。一人ひとりが大きな氷の塊を背中に乗せて担ぎ、近くの気温が氷点に迫る寒さの中を堂々と歩きます。
彼らは氷塊を担ぎながら太鼓や銅鑼の演奏に合わせてリズムを刻み、力強いパフォーマンスを披露しました。その姿には、新年に向けて神々に祝福を祈り、不運から守ってもらいたいという願いが込められているとされます。
氷点近くの寒さに耐える「祈りの身体表現」
背中に氷を乗せて歩く「背氷」は、単なる見世物ではなく、「寒さに耐える」という行為そのものが祈りの表現になっているところが特徴です。
人の体は冷たさに弱いにもかかわらず、あえて氷を担いで歩くという行為には、次のような意味合いが重なっていると考えられます。
- 厳しさに耐え抜くことで、一年の困難も乗り越えられるよう願う
- 自らの体を通して、神々への感謝と敬意を示す
- 地域の人びとが、同じ場所で同じ光景を共有し、結びつきを確かめる
春節は新しい一年の始まりであり、「どういう一年にしたいか」をあらためて言葉にし、祈るタイミングでもあります。背氷のような行事は、その思いを身体の動きとして可視化する役割を持っているとも言えます。
春節を彩る地域ごとの伝統行事
春節の時期には、中国各地で獅子舞や演舞、花火など、地域の特色を生かした催しが行われます。山西省永済市・雁鵲楼で行われた背氷も、その一つとして新年の空気を盛り上げています。
今回の背氷は、太鼓や銅鑼の音に合わせて進む構成だったとされ、視覚だけでなく聴覚でも楽しめるパフォーマンスになっていました。氷の白さ、冬の冷たい空気、打ち鳴らされる音が重なり合い、春節らしい高揚感を生み出している様子が浮かびます。
こうした行事は、観光客にとっては珍しい文化体験であり、地域の人びとにとっては「毎年欠かせない新年の儀式」として受け継がれていると考えられます。伝統文化が現代の都市空間と重なる瞬間は、国際ニュースとしても注目されるポイントです。
私たちの「新年の儀式」を考えるきっかけに
氷点近くの寒さの中で氷塊を背負う背氷の姿は、多くの人にとってはかなり過酷に見えるかもしれません。それでもなお続けられているのは、「形ある行為を通じて祈る」という行動が、人にとって根源的な意味を持つからではないでしょうか。
日本でも、初詣や除夜の鐘、地域の祭りなど、新年を特別な時間にするための「儀式」が各地にあります。背氷のニュースは、遠い地域の話でありながら、「自分にとって一年の始まりを実感するのはどんな瞬間か」をあらためて考えさせてくれます。
スマートフォンで世界中の出来事をすぐに知ることができる今だからこそ、他の地域の新年行事を知ることは、自分の日常を少し違う角度から見つめ直すきっかけにもなります。山西省の雁鵲楼で行われた背氷は、その良い例と言えるかもしれません。
Reference(s):
Men shoulder ice blocks to celebrate Chinese New Year in N China
cgtn.com








