中国の元宵節2025:北京の灯りと上海の翡翠が映す「光と伝統」
2025年2月、中国はランタンフェスティバル(元宵節)を祝い、街じゅうが光と甘い香りに包まれました。北京や上海では、伝統と現代の演出が重なり合うイベントが相次ぎ、冬の夜の中国文化を立体的に見せています。
甘くてもちもち 元宵節の定番おやつ「もち米団子」
元宵節といえば、欠かせないのが甘い「もち米団子」です。紹介された映像では、丸い団子を頬張るシーンが強調されていました。日本のおしるこや白玉団子にも少し似た、素朴でどこか懐かしいおやつです。
丸い形には、家族の団らんや一年の円満を願う意味が込められているとされます。忙しい都市生活のなかでも、家庭でこの団子を囲む時間は、多くの人にとって「ほっとするひととき」になっているようです。
北京・Wenyu River Park 「2025 Beijing Thousand Lights Night」の光景
北京では、Wenyu River Parkで「2025 Beijing Thousand Lights Night」と名付けられたイルミネーションイベントが「最近オープンした」と紹介されました。夜の公園一帯が光で満たされ、まさに「灯りの海」といえる風景です。
無数のランタンやライトが織りなす空間は、SNS映えするスポットとしても注目を集めそうです。通り抜けるだけで、日常の時間から切り離されたような非日常感を味わえるのが、こうした季節イベントの魅力といえます。
火花のシャワー 「溶けた鉄の花火」という古い技
同じく北京では、元宵節の夜空を「溶けた鉄の花火」が彩りました。映像では、溶かした鉄を勢いよく打ち上げ、無数の火花が夜空に降り注ぐ迫力あるシーンが伝えられています。
この古い技術に基づくパフォーマンスは、現代の打ち上げ花火とは違う、荒々しくもどこか荘厳な美しさがあります。安全管理や再現の難しさもあるなかで、伝統の技を受け継ぎ、現代の観客に見せる試みは、文化財ではなく「生きた技」としての伝統文化のあり方を考えさせます。
上海歴史博物館で「翡翠」の輝きに出会う
上海では、上海歴史博物館が翡翠(ひすい)の特別展を開催し、武漢博物館から貸し出された希少で精巧な翡翠工芸品が展示されていると紹介されました。光の祭りでにぎわう季節に、静かなガラスケースの中で輝く翡翠は、また別の「光」を見せてくれます。
装身具や器といった翡翠の作品は、持ち主の美意識だけでなく、その時代の価値観や技術水準も映し出します。北京の夜空に舞う火花が「瞬間の光」だとすれば、翡翠の展示は「長い時間を閉じ込めた光」ともいえそうです。
光・味・工芸から見える2025年の中国
今回紹介されたのは、
- 元宵節の甘いもち米団子
- 北京・Wenyu River Parkの「2025 Beijing Thousand Lights Night」
- 古くから伝わる溶けた鉄の花火パフォーマンス
- 上海歴史博物館と武漢博物館による翡翠の特別展
という4つの風景でした。
いずれも、伝統文化そのものを「保存する」だけでなく、現代の人びとが楽しめる形に「翻訳」している点が共通しています。光のイベントやアート展として表現されることで、観光客だけでなく、地元の人にとっても新しい発見のきっかけになっているようです。
日本から中国文化を見るとき、政治や経済のニュースに目が行きがちですが、こうした季節行事や美術展に目を向けると、都市で暮らす人びとの日常や、地域ごとの歴史の重なりが、より立体的に見えてきます。来年以降の元宵節や冬のイベントが、どのように進化していくのかも注目したいところです。
Reference(s):
cgtn.com








