オックスフォードで京劇とアラビア詩が共演 文化多様性を祝う音楽の夜 video poster
オックスフォードで文化多様性を祝う音楽イベント
英国オックスフォードで、Peking Opera(ペキンオペラ)、インド古典音楽、アラビア詩に着想を得た歌が一堂に会するコンサートが開かれました。国際ニュースの中でも、文化交流と多様性をテーマにした取り組みとして注目されています。
Art Beyond Borders Initiativeによる「国境を越える」舞台
このコンサートを主催したのは、Art Beyond Borders Initiative(ABBI)です。その名称が示すように、国や地域の境界を越えて芸術を分かち合うことを目指す姿勢がうかがえます。
会場となったのは、オックスフォードで評価の高いホール「Holywell Music Room」。没入型のコンサートとして、観客がステージとの距離の近さを感じられるような構成です。
中国歌曲「A Bird Singing in the Wind」:ペキンオペラの響き
プログラムの一つは、中国の芸術歌曲「A Bird Singing in the Wind」です。ソプラノのBetty YanさんとピアノのYuchen Zhangさんが、声楽とピアノによるデュオで演奏しました。
作品には、ペキンオペラにも通じるドラマ性や、言葉の抑揚を生かした表現が込められており、風の中で歌う鳥のイメージと重なる世界観が紹介されました。
インド古典音楽「Song of Radha」:ラーガの抒情性を前面に
インド古典音楽を代表して取り上げられたのが、Aastha Mohapatraさんの「Song of Radha」です。作品は、インド音楽の核となるラーガ(音階や旋法)の抒情的な美しさを際立たせる構成とされています。
音の上下や反復を丁寧に積み重ねることで、言葉だけでは伝えきれない感情の揺れを描き出す点が、国や文化を超えて共有できる魅力として強調されました。
アラビア詩から生まれた「Aatini Al Naya Wa Ghanni」
さらに、アラビア音楽の側面から紹介されたのが「Aatini Al Naya Wa Ghanni」です。この楽曲は、詩人Khalil Gibranの詩に着想を得て作られたもので、アラビア音楽が持つ物語性の深さを示しました。
歌と詩が密接に結びつき、一つの物語として進む構成は、言語が分からなくても声の表情やメロディーの運びから情景を想像できるものでした。
一夜に集った、中国・インド・アラビアの物語
Peking Opera、中国歌曲、インド古典音楽、アラビア詩に着想を得た歌が、一つのコンサートで並ぶという構成は、文化多様性をめぐるいくつかのポイントを浮かび上がらせます。
- 異なる地域の伝統音楽が「競い合う」のではなく「並び立つ」プログラムであること
- 物語性や感情表現を通じて、言語の壁を越えた共感の可能性が示されていること
- 舞台芸術が、国や地域のイメージを固定するのではなく、揺らぎをもたらす役割も担いうること
こうした視点は、グローバル化が加速する中での国際ニュースを読み解くヒントにもなります。文化の違いを「距離」として捉えるのではなく、「対話のきっかけ」として受け止める発想です。
日本の読者への問いかけ:身近なところから「ボーダー」を越える
日本でも、多文化共生や異文化理解をめぐる議論が続いています。オックスフォードでのこのコンサートは、日常の中で音楽や芸術とどう付き合うかを考える材料にもなりそうです。
- プレイリストに、これまで聴いたことのない地域の音楽を一曲だけ加えてみる
- 歌詞の意味が分からなくても、「声の質感」や「リズム」に注目して聴いてみる
- 気になった作品やアーティストについて、背景となる文化や歴史を少し調べてみる
Art Beyond Borders Initiativeの取り組みは、私たち自身の「ボーダー」をどこに引くのか、静かに問い直してきます。スマートフォン一つあれば世界中の音楽にアクセスできる今、オックスフォード発のこの舞台は、耳から始まる小さな国際交流の可能性を示していると言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








