映画「Ne Zha 2」大ヒットで成都ブーム 観光と街づくりに波及
中国四川省成都発のアニメ映画「Ne Zha 2」が、中国本土だけでなく世界でも大ヒットし、その「ふるさと」である成都に観光客の視線が集まっています。作品の成功が、街の風景や観光のかたちにどのような変化をもたらしているのでしょうか。
中国本土と世界で成功した「成都製」アニメ
「Ne Zha 2」は、2025年現在、中国本土だけでなく世界でも大きな成功を収めているアニメ映画として注目されています。物語そのものだけでなく、「Chengdu-made(成都製)」の作品であることが話題となり、制作地である四川省成都市にもスポットライトが当たっています。
これまで、国際的にヒットする映像作品は首都圏や一部の大都市に制作拠点が集中しがちというイメージがありました。しかし、「Ne Zha 2」の事例は、中国西南部の都市・成都がクリエイティブ産業の重要な拠点として存在感を高めていることを示しています。
街中の哪吒像とスタジオ本社が「新名所」に
作品の人気が高まるなかで、成都の街に設置された哪吒(ネザ)の像や、制作会社であるChengdu Coco Cartoonの本社が、ファンや観光客にとっての新しい「巡礼地」となっています。
もともとは日常の街並みの一部だった哪吒像やオフィスビルが、映画のヒットによって、次のような楽しみ方ができる観光スポットへと変化しつつあります。
- 街角に点在する哪吒像を探しながら写真を撮り、SNSで共有する
- Chengdu Coco Cartoon本社周辺を訪れ、作品が生まれた場所の雰囲気を感じる
- 映画のキャラクターやシーンを思い浮かべながら、市内の風景を見比べて歩く
こうした動きは、観光地として「特別に整えられた場所」だけでなく、日常の街そのものが作品と結びつき、新しい価値を持ち始めていることを示しています。
映画が観光を動かす「コンテンツ・ツーリズム」
「Ne Zha 2」をきっかけとした成都ブームは、コンテンツが観光を動かす「コンテンツ・ツーリズム(作品ゆかりの地を訪れる旅行)」の一つのかたちといえます。特にデジタルネイティブ世代にとって、旅先を選ぶ基準は、ガイドブックよりも「推しの作品」やSNSで見た印象に重心が移りつつあります。
成都ブームから見えるポイント
- 地方都市のブランド力向上:ヒット作の「制作地」であること自体が、その都市の新たなブランドとなる
- 日常空間の観光資源化:街路に設置された像やスタジオ本社といった、これまで観光地とは見なされてこなかった場所が注目される
- SNS時代の拡散力:ファンが撮影した写真や動画がSNSで共有され、さらに多くの人の興味を呼び込む循環が生まれる
こうした流れは、観光を「名所から名所へ移動するもの」から、「作品の世界観と現地の空気を重ね合わせて体験するもの」へと変えていく可能性があります。
成都を歩くときに意識したい視点
「Ne Zha 2」をきっかけに成都を訪れる人にとって、どのような視点で街を楽しむとよいのでしょうか。
- 作品と街の両方を味わう:哪吒像やスタジオ本社だけでなく、周辺の街並みや日常の生活の気配にも目を向ける
- 「写真映え」だけに偏らない:撮影スポットとしての魅力だけでなく、その場の歴史や背景にも関心を広げる
- 地域への配慮:オフィスや住宅が近い場所では、騒音や通行の妨げにならないよう振る舞いに気を配る
作品のファンとしての楽しみ方と、街の一員として生活している人への配慮を両立させることができれば、観光客と地域の双方にとって心地よい関係が生まれやすくなります。
「好き」が街を動かす時代に
中国四川省成都で制作された「Ne Zha 2」の成功は、一つのアニメ作品が、制作スタジオや街中の像を新たな観光スポットに変え、地域のイメージや観光の流れにまで影響を与えうることを示しました。
コンテンツの力が強まるいま、「どんな作品が好きか」が、「どんな街を訪れるか」「どんな風景を写真に残すか」に直結しつつあります。成都で起きている変化は、日本を含む各地の都市にとっても、「自分たちの街のどんな点が物語になりうるのか」を考えるヒントになりそうです。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追いかける私たちにとっても、「Ne Zha 2」と成都の関係は、エンタメと都市、ファンと観光、オンラインとオフラインが交わる現代の風景を映し出す、興味深いケーススタディだといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








