世界を魅了する中国カルチャー:アニメ、京劇、民間芸術、ダンスの今
2025年2月19日に放送された国際メディアCGTNの番組「The Vibe」は、中国カルチャーの「今」を切り取る4つのトピックを取り上げました。世界興行収入1位となったアニメ映画「Ne Zha 2」から、日本の観客を魅了する京劇、春節の民間芸術、トップダンサーが集うステージまで、いま中国文化がどのように国内外で楽しまれているのかをのぞいてみます。
世界興行1位の中国アニメ「Ne Zha 2」
映画「Ne Zha 2」は、世界のアニメ映画の興行収入ランキングでトップに立ち、中国アニメの存在感を一気に高めました。番組では、この作品が持つビジュアルの美しさや、独自の世界観が紹介されました。
従来、日本で「アニメ」といえば日本発の作品が中心でしたが、中国発のアニメが世界規模で成功を収めたことは、アジア発コンテンツの多様化という点でも注目できます。物語やキャラクターだけでなく、美術や色彩感覚を通じて、中国の美意識に触れられる点もポイントです。
京劇が日本の観客と「橋渡し」する
「Bridging Cultures(文化の橋渡し)」のコーナーでは、京劇(Peking Opera)が日本の観客にどのように受け入れられているかが取り上げられました。独特の歌や身ぶり、色鮮やかな衣装で知られる伝統芸能が、言葉の壁を越えて共感を生んでいる様子が伝えられています。
番組によると、日本の観客は、ストーリーの分かりやすさだけでなく、舞台上の「声」「動き」「音楽」が一体となったパフォーマンスそのものを楽しんでいるといいます。中国と日本という異なる文化圏のあいだで、舞台芸術が静かに心の距離を縮めていることがうかがえます。
春節の「かまど絵」が守る民間芸術
「Preserving Folk Art(民間芸術を守る)」のパートでは、「Painting with food(食とともに描く)」というテーマで、春節(旧正月)の時期にかまどを彩る絵が紹介されました。家庭の食文化の中心であるかまどが、春節には細かな絵柄で飾られ、「Kitchen God(かまどの神様)」をまつる場として大切にされているといいます。
こうした日常空間に描かれる絵は、派手な観光スポットには現れませんが、地域の暮らしや信仰がそのまま刻まれた「生活の美術館」ともいえる存在です。番組は、急速な都市化の中でも、このような民間芸術がどのように受け継がれているのかに光を当てました。
「2024 Night of Top Chinese Dancers」が示した新世代
「Rising Stars(新たなスターたち)」では、昨年開催された「2024 Night of Top Chinese Dancers」が取り上げられました。このイベントは、中国各地から集まったダンサーたちが一夜限りの舞台をつくり上げるもので、番組では「国のトップレベルの才能が集結した夜」と紹介されています。
クラシックなスタイルから現代的な振付まで、多様な表現を通じて、中国のダンスシーンがいかに豊かになっているかが伝えられました。個々のダンサーの技術だけでなく、舞台芸術全体としての完成度の高さが強調されている点も印象的です。
中国カルチャーの「今」をどう受け止めるか
「Ne Zha 2」の世界的ヒット、日本で広がる京劇の人気、春節のかまど絵、トップダンサーの舞台。これらは一見バラバラの話題ですが、共通しているのは、中国文化が「古いか新しいか」という単純な二分法では語れないほど、多層的になっているという点です。
日本の視点から見ると、中国カルチャーは、ときに政治や経済ニュースの陰に隠れがちです。しかし、アニメや舞台芸術、民間信仰に根ざした表現を通じて、生活や感情のレベルで共感できる部分も少なくありません。国際ニュースを追うときこそ、こうした文化の断片にも目を向けることで、隣国への見方は少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com







