春節に映えるモダンなチャイナドレス 伝統衣装の新しい楽しみ方 video poster
2025年の春節の連休には、伝統的なチャイナドレス(チョンサム)を身にまとう人の姿が各地で目立ちました。約100年前に上海で人気を集めたこの一着が、今また新しいデザインでよみがえりつつあります。
1920年代の上海から、いま再び
チャイナドレスは、1920年代の上海で広く着られるようになったとされる女性の伝統衣装です。高い襟と、膝上まで入ったスリットの入った細身のシルエットが特徴的で、体のラインを美しく見せる工夫が詰まっています。
名称としてのチョンサムは、広東語で「長い服」を意味し、1960年代の香港でさらに知られるようになりました。映画や写真の中で、エレガントな女性像と結びついて記憶している人も多いかもしれません。
特別な日に選ばれる「定番ドレス」
こうした歴史を持つチャイナドレスは、今でも多くの人にとって特別な日の「勝負服」の一つです。春節の家族団らんや祝いの席など、ハレの日の場面で選ばれることが多く、世代を超えて親しまれています。
洋服が当たり前になった現在でも、あえて伝統衣装を身につけることには、「節目の日を大事にしたい」「家族や文化とのつながりを確かめたい」といった気持ちが込められているように見えます。
職人技は薄れつつも、その価値は高まる
一方で、チャイナドレス作りの技術を受け継ぐ職人は減りつつあるとされ、仕立ての文化そのものが薄れかねない状況も指摘されています。身体のラインにぴったり合わせて一着ずつ仕立てる技術は、時間も手間もかかるためです。
だからこそ、今なお丁寧に作られるチャイナドレスは、単なる「服」以上の意味を持ち始めています。自分だけの一着を持つことは、伝統の一部を共に生きるという感覚にもつながっていると受け止められています。
若いデザイナーが仕掛ける「モダンチョンサム」
そうした中で登場しているのが、チャイナドレスに新しい解釈を加える若いデザイナーたちです。クラシックな高い襟やスリットといった特徴は残しつつ、現代のライフスタイルに合うよう、柔らかな素材や着やすいシルエット、日常でも使いやすい色や柄を取り入れる動きが出ています。
モダンなアレンジの方向性としては、例えば次のような工夫が見られます。
- 丈を短めにして、動きやすさと軽やかさを出す
- ストレッチ性のある素材を使い、長時間着ても疲れにくくする
- 伝統的な模様をシンプルに配置し、日常の洋服とも合わせやすくする
- ジャケットやスニーカーなどカジュアルなアイテムと組み合わせやすいデザインにする
こうしたモダンなチョンサムは、春節のような伝統行事だけでなく、パーティーやフォーマルな集まりでも選ばれ、チャイナドレスの可能性を広げています。
SNS時代に広がる「着る伝統文化」
国際ニュースやアジアのカルチャーに関心のある人たちにとって、チャイナドレスの動きは「着る伝統文化」として注目されるテーマになりつつあります。SNSでは、春節コーディネートとしてチャイナドレス姿を写真や動画で共有する人も増えています。
投稿を通じて、「自分はなぜこの伝統衣装を選ぶのか」「どんな場で着たいのか」といった問いが自然に生まれ、個人のスタイルと文化的アイデンティティを見つめ直すきっかけにもなっています。
伝統を日常に取り入れるという選択肢
チャイナドレスは、1920年代の上海で人気を集め、1960年代の香港でさらに知られるようになった歴史ある衣装です。そして今、2025年の春節を経て、再び注目を浴びながら形を変えようとしています。
・特別な日のために一着を大切に持つのか
・普段着に近いモダンなデザインを選ぶのか
・見る側として、その美しさや背景の物語を楽しむのか
選び方は人それぞれですが、伝統衣装を通じて「過去」と「今」をつなぐ試みは、これからも続いていきそうです。春節という節目のタイミングで、チャイナドレスのような伝統のかたちがどのように現代と重なっていくのか、日本にいる私たちにとっても考えてみる価値のあるテーマではないでしょうか。
Reference(s):
Traditional cheongsam takes on a modern twist for the festive season
cgtn.com








