中国の伝統文化が世界へ: Vlogger・古村落・ランタン・映画「Ne Zha 2」
2025年、中国の伝統文化を現代的に発信するニュースが相次ぎました。本記事では、2025年3月に中国の国際メディアCGTNの番組「The Vibe」で紹介された4つのトピックから、国際ニュースとしての中国文化の今を振り返ります。
1. 「Rising Vlogger」伝統をまとうコスプレクリエイター
「Rising Vlogger」として紹介された動画クリエイターのZhu Tiexiongさんは、中国の伝統に根ざした壮麗なコスプレを通じて、深い文化的メッセージを発信しています。
単なるコスプレではなく、衣装や演出の一つひとつに歴史や物語性を込めることで、視聴者に「中国のルーツ」を感じさせる構成になっている点が特徴です。短い動画のなかに伝統文化の象徴を凝縮し、デジタルネイティブ世代にも届きやすい形に翻訳していると言えるでしょう。
動画プラットフォームを主戦場とする若いクリエイターが、伝統文化を自分なりに再解釈し、国内外の視聴者に届ける流れは、2025年の国際ニュースのなかでも注目すべき変化の一つです。
2. 1400年以上の歴史を持つ龍泉市の村が観光地に
番組では、龍泉市にある1400年以上の歴史を持つ村も取り上げられました。この村は、環境に配慮したエコフレンドリーな取り組みと、豊かな自然景観、そして文化的な体験コンテンツによって、訪問客を惹きつけています。
古い街並みや伝統的な暮らしを残しつつも、環境保全と観光を両立させようとする姿勢は、地域の歴史資産をどのように次世代につなぐかという点で示唆に富んでいます。
都市部から訪れる人にとっては、「古い村を見学する」というよりも、歴史・自然・文化体験が一体となった「滞在型コンテンツ」として楽しめる場所になりつつあるようです。
3. 安徽省の魚形ランタンと「龍が頭をもたげる日」
安徽省では、豊作を祈る伝統行事として「龍が頭をもたげる日(Dragon-Head-Raising Day)」を祝うパレードが紹介されました。ここで主役になるのが、色鮮やかな魚の形をしたランタンです。
魚は、豊かさや幸運の象徴として親しまれてきたモチーフです。その魚をかたどったランタンを掲げたパレードは、春の訪れと一年の実りを願う地域の人びとの思いを視覚的に表現するものと言えます。
伝統行事が観光資源としても注目されることで、地元経済の活性化につながる一方、祭りの意味や歴史をどう維持していくかという問いも浮かび上がります。2025年のこうした動きは、地域文化と経済のバランスを考えるうえで興味深いケーススタディです。
4. 世界興行を席巻した「Ne Zha 2」、シンガポールで公開へ
番組が放送された2025年3月当時、世界の興行収入記録を塗り替えたとされるアニメ映画「Ne Zha 2」は、その週にシンガポールでの公開を控えていました。
中国の神話をベースにしたこの作品は、スケールの大きな映像表現と現代的なキャラクターづくりで、海外の観客からも支持を集めています。アジアの別の国であるシンガポールでの公開は、中国発のコンテンツが地域を越えて共有される一例と見ることができます。
映画館という場を通じて、観客はエンターテインメントとして楽しみながらも、物語の背景にある価値観や世界観に自然と触れることになります。これは、国際ニュースの文脈で語られるソフトパワー(文化を通じた影響力)の具体的な姿の一つでもあります。
5. デジタル・観光・祭り・映画がつなぐ中国文化
今回紹介した4つのトピックは、表現方法も場所も異なりますが、共通して次のようなポイントを示しています。
- デジタルコンテンツが、伝統文化を若い世代や海外の視聴者に届ける入り口になっている
- 歴史ある村や祭りなどローカルな現場が、新しい観光や体験型カルチャーとして再評価されている
- 映画などのポップカルチャーが、神話や歴史をグローバルに共有する媒体になっている
2025年現在、国際ニュースとしての中国文化は、「伝統か現代か」という二者択一ではなく、両者を行き来しながら新しい表現を模索しているように見えます。こうした動きは、アジア全体の文化交流や、私たち自身の「文化とは何か」という問いを静かにアップデートしていくきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








