中国ニュース 貴州のMuseum of Memory on Hands 手の記憶を守る博物館 video poster
国際ニュースや中国ニュースを日本語で知りたい読者に向けて、今回は中国・貴州省貴陽の山あいに静かに佇む私立博物館「Museum of Memory on Hands」を取り上げます。古い森や棚田(たなだ)、伝統的なアートスタジオに囲まれたこの小さな博物館は、地域の無形文化遺産を守り、次の世代につなぐ拠点として注目されています。
貴陽の静かな山あいに佇むミュージアム
Museum of Memory on Handsが位置するのは、貴州省の省都・貴陽の静かな山あいです。周囲には、長い時間をかけて育った古い森、季節ごとに表情を変える水田や棚田、そして伝統的な芸術のアトリエが点在しています。
街の中心部から離れたこの環境は、喧騒から一歩距離を置き、文化や記憶と向き合うのにふさわしい場所です。自然と人の営みが折り重なった風景の中で、来館者は「ここでどのような暮らしが営まれてきたのか」「どんな手仕事が生まれてきたのか」といった想像を自然と膨らませることになります。
無形文化遺産を守る「手の記憶」の博物館
Museum of Memory on Handsは、その名の通り「手」と「記憶」をテーマにした博物館です。貴州省に受け継がれてきた無形文化遺産を守り、広く発信することを目的としています。
無形文化遺産とは、形として残る建物や遺跡ではなく、人の手やことばを通じて受け継がれてきた文化のことです。たとえば、地域の祭りや歌、語り継がれる物語、世代を越えて伝えられた手仕事の技などがその代表例です。
この博物館は、そうした「目に見えにくい文化」を記録し、紹介し、未来につなげるための場として設立されています。展示物そのものだけでなく、それを生み出した人びとの暮らしや土地の記憶を含めて伝えようとする点に特徴があります。
「Hands」が示すもの――技と日常の重なり
館名にある「Hands(手)」という言葉は、単に職人の技を指すだけではありません。家族の食卓を準備する手、子どもに物語を聞かせる手、祭りの準備をする手――そうした日常の動きの積み重ねもまた、地域の文化を形づくります。
Museum of Memory on Handsは、そうした日々の手の動きに宿る記憶に光をあて、貴州省という地域の多様な物語をすくい上げようとしています。訪れる人は、展示を眺めるだけではなく、自分自身の暮らしや家族の記憶を振り返るきっかけも得られるでしょう。
貴陽で7番目の私立博物館という意味
Museum of Memory on Handsは、貴陽における7番目の私立博物館として位置づけられています。これは、文化の保存や発信が、公的な機関だけでなく、民間の手によっても支えられていることを示しています。
私立の博物館には、次のような役割が期待できます。
- 地域に根ざしたストーリーを、より自由な視点で伝える
- 小規模だからこそ、実験的で柔軟な展示や企画に挑戦できる
- 地元の人と外から訪れる人をつなぐ「交差点」になる
貴陽で7番目という数字は、こうした民間の取り組みが少しずつ広がっている流れの中に、この博物館が位置していることを物語っています。
自然に囲まれた「記憶のアーカイブ」として
古い森や棚田、伝統的なアートスタジオに囲まれたMuseum of Memory on Handsは、単なる展示空間を超えた存在として機能しています。館の外に広がる風景そのものが、地域の歴史や暮らしを映し出す「生きた背景」になっているからです。
来館者にとって、山の静けさや田んぼの匂い、アトリエから漏れ聞こえる制作の音は、展示物と同じくらい強い印象を残します。文化とは、ガラスケースの中だけで完結するものではなく、暮らしと自然の中に溶け込んでいるというメッセージが、ここには込められているように感じられます。
日本の読者にとってのヒント
日本でニュースを読み、日々の仕事や学びに追われている私たちにとっても、この博物館の存在は小さくない示唆を与えてくれます。
- 自分の身近な地域にある「無形の文化」は何か
- 家族の中で受け継がれてきたレシピや言い回し、行事はないか
- そうした記憶を、どのように未来の世代につないでいくか
Museum of Memory on Handsが守ろうとしているのは、貴州省の文化であると同時に、「どの地域にもあるはずの手と記憶の物語」を見つめ直す視点とも言えます。
まとめ――山あいから広がる静かな問いかけ
貴州省貴陽の山あいにあるMuseum of Memory on Handsは、貴陽で7番目の私立博物館として、無形文化遺産を守り伝える役割を担っています。古い森、棚田、伝統的なアートスタジオに囲まれた環境の中で、この小さな博物館は、「私たちはどのように文化を受け継ぎ、誰と分かち合うのか」という静かな問いを投げかけています。
スキマ時間にスマートフォンで読む国際ニュースであっても、ふと立ち止まって、自分自身の「手の記憶」に思いを巡らせてみる。そんなきっかけとして、この博物館のストーリーを心の片隅に留めておくのも良いかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com







