テト直前のハノイで味わう ベトナムの屋台料理とコーヒー文化
ベトナムの首都ハノイで、旧正月テトを前に街じゅうが祝祭ムードに包まれる中、屋台料理とコーヒー文化がどのように人びとの日常を形づくっているのかが見えてきます。本稿では、2018年のテトの時期にハノイを訪れた体験をもとに、その空気感を日本語でたどります。
テト前夜のハノイ、街じゅうが祝祭ムードに
長いあいだ心の中で温めてきたベトナム行きがかなったのは、2018年、ベトナムでもっとも大切な祝祭である旧正月テトのまっただ中でした。中国の春節と同じように、テトは家族が集まり、にぎやかに新年を祝う時間です。
ハノイの街には、テトの準備に追われる人びとがあふれ、色とりどりの飾りつけが並んでいました。新しい一年を迎える期待と高揚感が、通りを歩くだけで伝わってきます。
屋台料理にあふれる歩道が「もう一つの食卓」に
そんな祝祭前のハノイで、目を引くのが歩道を埋めるように並ぶ屋台料理です。簡素なイスとテーブルが並び、湯気の立つ麺料理や、香ばしく焼かれた肉料理、あたたかいご飯ものが次々と運ばれていきます。
家族連れや友人同士が肩を寄せ合い、短い注文の声と笑い声が交差する路上は、そのまま「もう一つの食卓」です。テト前の忙しさの中でも、屋台で一息つきながら食事を囲む時間は、ベトナムの人びとにとって大切な日常の一部になっているように見えます。
コーヒー文化がつなぐ、日常とハレの時間
街角には、屋台料理と同じようにコーヒーショップや路上の簡易なカフェスペースも目立ちます。プラスチックの低いイスに腰かけ、行き交う人びとを眺めながらゆっくりコーヒーを飲む時間は、テト前の喧騒の中でほっと息をつくひとときです。
テトで帰省する前に友人と集まり、近況を語り合う場としてもコーヒーは機能しているように感じられます。屋台での食事とコーヒーの時間、そのどちらもが祝祭と日常の境界をゆるやかに溶かし、人びとのつながりを支えています。
中国の春節、日本の正月と通じる感覚
家族が集まり、新しい一年の始まりを祝うテトの風景は、中国の春節、日本の正月とも通じるものがあります。遠く離れた国であっても、家族や身近な人との時間を大切にし、食卓を囲んで新年を迎えるという感覚は共通しています。
違いよりもむしろ、こうした共通点に目を向けることで、ベトナムという国への距離感は少しずつ縮まっていきます。屋台料理やコーヒー文化は、その入り口としてとても分かりやすい存在です。
2025年の今、ベトナムの日常から何を学べるか
2018年のテトの体験からはすでに時間がたっていますが、家族や友人との時間を大切にする空気や、街角の食とコーヒーが果たす役割は、今もベトナムの大切な顔であり続けていると考えられます。
日本から画面越しに世界を見ることが増えた今だからこそ、ハノイの路上で感じたような、生活に根ざした風景に目を向けることが重要になっています。ベトナムの屋台料理とコーヒー文化を通じて、私たちは他の国の「特別な日」と「ふだんの暮らし」の両方を想像し、自分たちの日常を見つめ直すヒントを得ることができるのではないでしょうか。
ニュースとしての大きな出来事だけでなく、こうした日常の断片にこそ、その国の現在が映し出されています。ハノイのテト前夜のにぎわいは、2025年の私たちにとっても、世界を考えるための小さな手がかりになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








