米ニュージャージーで移民物語のアート展 ベネズエラ出身作家が声を可視化 video poster
米ニュージャージー州で、ベネズエラ出身のアーティストが移民一人ひとりの物語を描く展示を開いています。強制送還をめぐる議論が再び高まるアメリカで、移民をめぐる国際ニュースを「顔の見えるストーリー」として伝えようとする試みです。
強制送還をめぐる議論の陰で
2025年のアメリカでは、書類の整っていない移民の強制送還をめぐり、政治や世論が揺れています。国境管理や治安の議論が繰り返される一方で、その背景にあるのは、さまざまな理由で故郷を離れた人々の生活や感情です。
そうした中で開かれている今回の展示は、「移民」を統計やスローガンではなく、名前を持つひとりの人間として捉え直す場になっています。
ベネズエラ出身アーティストが語る移民の旅路
展示を企画したのは、ベネズエラ出身の女性アーティストです。自身も移民としてアメリカに暮らす立場から、米国にやって来た人々の個別の物語に光を当てています。
作品は、アメリカを目指した理由、道のりで直面した困難、新しい土地での出会いや不安など、移民一人ひとりの旅路に焦点を当てています。ニュースでは語られにくい細かな感情や記憶が、丁寧にすくい上げられているのが特徴です。
文化のシフトと「根を抜く」経験
この展示のもう一つのテーマが、文化の変化です。人は新しい国へ移るとき、生活の場だけでなく、言葉、習慣、人間関係といった「文化の根」をいったん引き抜くことになります。
展示では、アメリカに来た後に感じた文化のギャップや、母語と英語の間で揺れる感覚、家族やコミュニティとの距離感など、移住に伴う微妙な変化が表現されています。移民の物語を通じて、「自分にとっての居場所とは何か」「どこまでが故郷なのか」といった問いが自然と浮かび上がります。
数字ではなく、声としての移民を見る
移民をめぐる国際ニュースでは、しばしば人数や政策が前面に出ます。しかし、この展示が提示するのは、次のような問いです。
- なぜ人は危険を承知で国境を越えようとするのか
- 新しい土地で「自分らしさ」をどう守り、更新していくのか
- 受け入れる社会は、移民の声をどう聞き取るべきなのか
ニュージャージー州で開かれているこの展示は、移民をめぐる議論が激しくなる今だからこそ、一度立ち止まり、見えにくい個人の物語に耳を傾けようと呼びかけています。
移民問題に関心のある人はもちろん、海外で暮らした経験のある人や、これから留学や移住を考えている人にとっても、自分自身の「移動」と「居場所」を考え直すきっかけとなる内容です。
Reference(s):
cgtn.com







