北京国際映画祭でスイス映画が主役に 国交75年を彩るスイス映画週間
2025年は、中国とスイスの国交樹立から75周年の節目の年です。今年4月に開かれた第15回北京国際映画祭では、その記念の年に合わせてスイスがゲスト国として招かれ、スイス映画に光が当たりました。
国交75年を映すスクリーン
国際ニュースとしても注目された中国とスイスの関係は、2025年に国交樹立75周年を迎えました。政治や経済の対話だけでなく、映画や文化の交流を通じて、お互いの社会や価値観を知る動きが広がっています。
今回の北京国際映画祭でスイスがゲスト国に選ばれたことは、単なる記念行事ではなく、観客がスクリーンを通じてスイスの歴史や生活、そして多様な文化に触れる機会になりました。映像作品は、ことばの壁を越えて相手の社会を理解するための、強力なメディアだからです。
第15回北京国際映画祭とスイス映画週間
第15回北京国際映画祭(BJIFF2025)では、4月18日から26日にかけてスイス映画週間が開催されました。期間中は、スイスの映画文化の広がりを感じさせる作品が集中的に紹介され、観客はスイス映画の世界観に浸る時間を過ごしました。
雪をいただく山々や、歴史ある街並みといった風景だけではなく、現代社会の葛藤や家族、移民、環境問題といったテーマを扱う物語もスイス映画の重要な柱です。映画週間では、そうした多彩な視点を持つ作品群が並び、スイスという国を一面的ではなく、多層的にとらえるきっかけになったといえます。
スイス映画の個性:大胆な物語とドキュメンタリー
スイスは、時計や観光のイメージだけでなく、ヨーロッパのアート系映画の世界でも独自の存在感を持っています。大胆な物語構成や緻密な映像表現に挑む作品が多く、商業的な大作とは違う角度から社会や個人の内面を描き出してきました。
とくにドキュメンタリーの伝統は厚く、日常の小さな出来事から国境を越える社会問題までを、静かで観察的な視線で追うスタイルが特徴です。派手な演出よりも、じっくりと対象を見つめる作り方が多く、観客に考える余白を残してくれます。
こうしたスイス映画の姿勢は、同じく多様な社会を抱える中国やアジアの観客にとっても、どこか共感できる部分があるかもしれません。異なる背景を持つ人々が、似たような不安や希望を抱いていることが見えてくるからです。
映画祭がつなぐ中国とスイス
映画祭は、作品の上映にとどまらず、監督や制作者、観客が出会い、対話する場でもあります。北京国際映画祭のスイス映画週間も、スクリーンの向こうにいるスイスのクリエイターと、会場に集まった観客との距離を縮める役割を果たしました。
- 外交75周年という節目を共有する文化イベント
- スイスの若手からベテランまで、多様なクリエーターの声を紹介
- 今後の共同制作や上映のきっかけづくり
こうした積み重ねは、ニュースの見出しには載らないかもしれませんが、長い時間軸で見ると両国の信頼や理解を深める土台になります。国際ニュースの裏側には、このような静かな文化交流があることも、意識しておきたいところです。
日本の読者にとってのスイス映画
日本の視聴者にとって、スイス映画はまだ身近とはいえないかもしれません。しかし、北京国際映画祭のような場で注目が集まることで、アジア全体でスイス映画への関心が高まり、配信サービスや映画祭の特集などを通じて目にする機会も少しずつ増えていくでしょう。
もしスイス映画に触れてみたいと感じたら、次のような見方もおすすめです。
- まずはドキュメンタリー作品から:社会の変化や人々の暮らしに迫る静かな作品が多く、入門編として観やすい
- ヨーロッパのアート系映画が集まる映画祭で、スイス作品に注目して選んでみる
- 自然や風景をテーマにした作品を通じて、観光とは少し違うスイスの表情を知る
外交75年の節目に、中国とスイスを結んだスイス映画週間。その余韻は、スクリーンを離れても続いていきます。ニュースを追うだけでなく、一歩立ち止まって、異なる国の物語に耳を傾けてみることが、自分の世界の見え方を静かに変えてくれるかもしれません。
Reference(s):
Lights, Lens and Legacy: Swiss cinema shines at the 15th BJIFF
cgtn.com








