国際音楽ニュース:モンゴル出身歌手Enji、北京でジャズと民謡を融合 video poster
ミュンヘン拠点のモンゴル出身歌手Enji、北京で2度目の中国ツアー
ミュンヘンを拠点に活動するモンゴル出身の歌手、Enji Erkhemさんが、現在北京で2度目の中国ツアーに臨んでいます。ジャズと伝統的なモンゴル音楽を融合させた独自のサウンドで、中国の観客に新しい音楽体験を届けている国際音楽ニュースです。
- ミュンヘン在住のモンゴル出身歌手Enjiさんが、北京で2度目の中国ツアーを実施
- ジャズと伝統的なモンゴル音楽を融合させたスタイルが特徴
- 2023年のサードアルバム『Ulaan』が米英の主要メディアで高く評価
- 2024年4月に中国での初公演を行い、アジアでの存在感も高まりつつある
ジャズとモンゴル民謡の「融合」というスタイル
Enjiさんの音楽の最大の特徴は、ジャズとモンゴルの伝統音楽を自然に溶け合わせている点です。ジャズの持つ即興性やゆたかなハーモニーに、モンゴルの伝統的な旋律や音階の感覚を重ねることで、どちらか一方では生まれない独特の世界が形作られています。
こうしたクロスオーバーは、単なるジャンルのミックスではなく、「自分がどこから来たのか」というルーツと、「今どこで生きているのか」という現在地を同時に鳴らそうとする試みとも言えます。ミュンヘンという欧州の都市で培われたジャズ感覚と、モンゴルの音楽文化が、中国の首都・北京で出会っていること自体が、今の国際音楽シーンを象徴しています。
世界が注目したアルバム『Ulaan』
Enjiさんの3枚目のアルバム『Ulaan』は、2023年にリリースされると同時に、世界の音楽メディアから高い評価を受けました。アルバムはニューヨーク・タイムズによって、その年のベスト・ジャズ・アルバムの一つに選ばれています。
さらに、ワシントン・ポストは『Ulaan』を「年間アルバム・オブ・ザ・イヤー」に選出しました。また、イギリスの新聞ガーディアンは、同作をその年の「グローバル・アルバム」トップ10の一つとして紹介しています。モンゴルにルーツを持つ一人のアーティストの作品が、アメリカとイギリスの有力紙で評価されたことは、ジャズやワールドミュージックの枠を越えた広がりを示しています。
2024年の中国デビュー、そして現在の北京公演
Enjiさんは、2024年4月に初めて中国で公演を行い、中国の観客の前にデビューしました。それから約1年半ほどの時間を経て、現在は2度目の中国ツアーで北京を訪れています。短い期間で再びツアーを行っていることは、中国の音楽ファンの反応が確かな手応えにつながっていることをうかがわせます。
モンゴルにルーツを持ち、ミュンヘンを拠点に活動しながら、中国の観客ともつながる。そうした動きは、アジアと欧州をまたぐ音楽ネットワークが、実際のツアーや公演という形で具体化している例の一つと見ることができます。
日本のリスナーにとっての意味
日本語で国際ニュースや音楽ニュースを追いかけている読者にとって、この動きは決して遠い話ではありません。SNSや動画配信、音楽ストリーミングが日常化した今、北京でのライブの様子や海外メディアの評価は、短時間で世界中に共有されます。
Enjiさんの活動は、次のような問いを私たちに投げかけているようにも見えます。
- グローバル化が進むなかで、個人や地域の「声」をどう保ち、どう広げていくのか
- ジャズのような既存のジャンルに、異なる文化の要素を重ねるとき、何が新しく聞こえてくるのか
- アジア発の音楽表現は、今後どのような形で世界の音楽シーンと関わっていくのか
こうした視点でニュースとして眺めると、一人のアーティストのツアーは、「国境を越えて音楽がどう動き、どんな出会いをつくっているのか」を考えるきっかけにもなります。
これからの活躍と、変化する国際音楽シーン
2023年のアルバム『Ulaan』への高評価、2024年の中国デビュー、そして2025年現在の北京ツアーと、Enjiさんの歩みはコンパクトな時間軸の中で加速しているように見えます。今後の新作やツアーの動きは、国際音楽シーンを追ううえで注目しておきたいトピックの一つになりそうです。
日々のニュースの合間に、こうした音楽のストーリーに触れることは、自分の「世界の地図」を少しだけ書き換えてくれるかもしれません。モンゴル、ミュンヘン、北京という点が、一本の音楽の線で結び直されていくプロセスを、これからも静かに追いかけていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








