深圳・ミラノ二都ファッションウィーク2025 技術と文化が交差
2025年4月、イタリア・ミラノで「2025深圳(龍華)−ミラノ二都ファッションウィーク」が開幕しました。中国とイタリアの国交樹立55周年に特別なオマージュを捧げる催しとして、東洋のクラフトと西洋の美学、そして最新テクノロジーを組み合わせた国際ニュースとなりました。
ミラノで開幕した「Art Beyond Boundaries」
現地時間4月9日18時、ミラノで「Art Beyond Boundaries − Shenzhen-Milan Cultural Design Show(アート・ビヨンド・バウンダリーズ 深圳−ミラノ文化デザインショー)」のオープニングセレモニーとブランド交流イベントが行われました。世界各地から集まったアーティストやデザイナー、起業家、メディア関係者など150人以上が参加し、深圳とミラノという二つの都市をつなぐ文化の饗宴を見届けました。
ロボット「Kuafu」と職人が共演するランウェイ
オープニングを飾ったのは、ロボット「Kuafu(夸父)」のファッションショーでした。Leju Roboticsが開発したこのロボットは、中国ブランド「HUI」の衣装をまとい、正確なリズムでランウェイを歩きます。
ステージ上では、ロボットと伝統刺繍の職人によるインタラクティブなパフォーマンスも行われました。高度なロボティクスと手仕事の刺繍という対照的な要素を組み合わせることで、「テクノロジーとファッション」「未来と伝統」を一つの物語として見せる演出となりました。
深圳とミラノがつくるファッションの「橋」
ロンバルディア州から見た二都ファッションウィーク
ロンバルディア州の観光・ファッション・デザイン・地域マーケティング担当評議員であるバルバラ・マッツァーリ氏は、基調スピーチで二都ファッションウィークの意義を強調しました。
マッツァーリ氏によると、二都ファッションウィークは今年で2年目。前年は深圳側の招きでイタリアのファッションを深圳に紹介し、その創造性や影響力を示しました。今年はミラノデザインウィークの期間に深圳をミラノへ迎え入れる形となり、深圳とミラノの対話の架け橋であると同時に、国際的な統合に向けた重要な機会だと位置づけています。
深圳・龍華区が描く「Designed in China」
深圳市龍華区委員会常務委員である黄利民氏も、昨年の成果を振り返りながら、深圳が目指すファッション産業の未来像を語りました。
黄氏は、現代のファッション産業においてテクノロジーイノベーションが果たす役割を強調しつつ、深圳が持つ技術革新力を武器に、「Made in China(中国製造)」から「Designed in China(中国設計)」、さらに「Global Fashion(グローバルファッション)」へと進化しようとしていると説明しました。深圳は世界水準のファッションハブを構築することを掲げており、今回の二都ファッションウィークもそのビジョンを体現する場となりました。
深圳(龍華)−ミラノ ファッション貿易協力オフィスとは
式典のハイライトの一つが、「深圳(龍華)−ミラノ ファッション貿易協力オフィス」のお披露目でした。このオフィスは、ファッション交流の最前線となると同時に、企業にとっての「ワンストップ」サービスセンターとして機能することを目指しています。
具体的には、次のような役割が期待されています。
- 深圳企業による国際ブランドのインキュベーション(育成)の支援
- ファッション分野における知的財産保護のサポート
- ミラノが持つ世界的なファッションの影響力を活用し、中国のブランドが国際的なファッション・サプライチェーンに組み込まれるための支援
こうした取り組みによって、「深圳製造」から「グローバルブランド」への「高速道路」を築くことが狙いです。都市レベルでの産業連携を通じて、デザインとビジネスの両面から国際展開を後押しする仕組みと言えます。
ルネサンス美術と深圳テクノロジーの「衝突」
今回の展示では、ルネサンス期の美術作品と深圳発の最先端プロダクトが同じ空間に並び、「過去と未来」「東と西」が視覚的に衝突するような構成がとられました。
会場に並んだ深圳の代表的なプロダクトには、次のようなものがあります。
- ドローン群演出システム「Damo V4」
- LOHO & Flash E Paipai A1 AIメガネ
- K5インテリジェント・マイクロプロジェクター
- フォトン透明テレビ
- 永豊源による磁器シリーズ「紫韻天成」
鑑賞者は、ルネサンス美術と深圳のデジタルテクノロジー、さらには磁器などの伝統工芸が同じ視界に収まる空間を体験しました。東西の美意識と、伝統と先端技術の組み合わせが生み出すコントラストは、深圳が掲げる「technology + fashion + intangible cultural heritage(テクノロジー+ファッション+無形文化遺産)」というコンセプトを体現するものとなりました。
4月14日まで続いた二都ファッションウィーク
2025年の二都ファッションウィークは、4月14日までミラノで開催されました。会期中には、「Fashion & Tradition: Dual-City Cultural Sharing(ファッション&トラディション 二都文化シェアリング)」や「Design Wander: Industry-Innovation Integration(デザインワンダー 産業とイノベーションの融合)」といったプログラムが実施されました。
これらのイベントでは、デザイナーや企業関係者が対面で交流し、産業の深い統合や協業の可能性を探りました。単なるショーにとどまらず、ファッション産業の未来を議論するプラットフォームとしても機能した点が特徴です。
「技術+ファッション+文化」が描くこれから
今回の二都ファッションウィークは、深圳市龍華区人民政府の支援を受け、深圳工業デザイン業界協会が主催し、中国とイタリア双方のトップチームが共同キュレーションを行いました。都市、企業、クリエイターが連携することで、ファッションを軸とした国際交流がどこまで広がり得るのかを示した取り組みでもあります。
ロボットがランウェイを歩き、無形文化遺産としての刺繍や磁器が最新デジタル機器と同じステージに立つ光景は、ファッションを「モノ」から「物語」へと拡張する試みとも言えます。中国とイタリアの国交樹立55周年という節目に合わせて実施されたことで、デザインと文化を通じた関係強化というメッセージもより明確になりました。
こうした都市間の協力は、日本を含む他の国や地域にとっても、ファッションやデザインを通じた国際連携の在り方を考えるヒントになりそうです。短時間で世界の動きをキャッチしたい読者にとっても、技術と文化が交差するこの事例は、今後の国際ニュースを読み解く一つの参考点となるでしょう。
Reference(s):
2025 Shenzhen (Longhua)-Milan Dual-City Fashion Week Launches with 'Art Beyond Boundaries' Showcase
cctv.com








