中国・嵩山の弟子が教える「一字千金」の読書術 video poster
速い情報があふれるいま、「一字もおろそかにしない読書」という中国の古いことわざが、読み方を見直すヒントを与えてくれます。
中国・嵩山の弟子が語る「丁寧に読む力」
中国河南省登封市にある仏教寺院・法王寺で修行する妙度(ミャオドゥ)さんは、日々の読書と修行を重ねる弟子です。寺が位置する嵩山は、中国の五名山のひとつとされ、仏教・儒教・道教が交わる文化的な場所として知られています。
そんな妙度さんが「一番心に残っている一文」として挙げたのが、古い処世訓集『Zeng Guang Xian Wen(増広賢文)』にある言葉です。
「一字千金」を説く『増広賢文』の一節
妙度さんが紹介したのは、次のような意味を持つ一文です。
「読書をするときは、一つの文字も見逃してはならない。その一字が、千枚の金にも値するかもしれない。」
このことわざは、ただ文字を追うのではなく、一語一語に注意を払い、意味を確かめながら読む大切さを強調しています。どんなに小さな一言でも、人生の見方を変えるほどの重みを持つことがある、という考え方です。
読書もカンフーも「姿勢」がすべて
妙度さんは、この言葉が自分の修行観とも深く結びついていると話します。彼はこうたとえます。「カンフーの稽古と同じで、どんな技も、どんな構えも、一つひとつを真剣に学び、丁寧に身につけていかなければならない」。
読書も武術の修行も、表面的に「こなす」だけでは身にならず、本当に理解し、自分のものにするには、全身を使うような集中力と継続的な努力が必要だという視点です。
スマホ時代に試したい「丁寧に読む」3ステップ
2025年のいま、多くの人がスマートフォンでニュースやSNSを流し読みしています。そんな時代だからこそ、「一字も逃さない」読書の姿勢は、逆に新鮮に映ります。実生活で試せそうなポイントを、3つに整理してみます。
- 1. 一度立ち止まって読み返す
気になるニュースやコラムに出会ったら、最後まで読み切ったあと、印象に残った一文だけでも読み返してみます。 - 2. わからない言葉はその場でメモ
理解があいまいな言葉や表現に出会ったら、スマホのメモなどに書き留めておき、あとで意味を調べます。 - 3. 読み終えたあと30秒だけ考える
「この文章の一番大事な一言は何か?」を、30秒でいいので自分なりに言葉にしてみます。
中国の古い言葉から、いまの自分の読み方を問い直す
中国の山あいの寺で修行する一人の弟子が、大切にしている『増広賢文』の一節は、遠い世界の故事のようでいて、私たちの日常の読書にもそのまま当てはまります。
情報が速く、大量に流れていく時代だからこそ、「一字千金」ともいえる一文を見逃さない読み方が、思考を深め、世界の見方を少しずつ変えていくきっかけになるかもしれません。次にニュースや本を開くとき、どこかで妙度さんの言葉を思い出してみると、新しい読み方の扉がひらくかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








