国際映画祭キュレーターが語る中国映画の「いま」 第15回北京国際映画祭 video poster
ベルリン国際映画祭の選考委員を務めるジェシカ・キアング氏が、第15回北京国際映画祭で中国映画の現在地について語りました。国際的な映画人の視点から、中国映画市場の躍進と多様性があらためて注目されています。
北京国際映画祭で語られた「エキサイティングな時代」
2025年に開催された第15回北京国際映画祭で、国際メディアCGTNのインタビューに応じたキアング氏は、中国を「巨大でワクワクする市場」と表現しました。彼女は、中国映画がジャンルやスタイルの面で非常に多様化しており、その幅広さこそが魅力だと評価しています。
キアング氏は、インディペンデント作品から大作ブロックバスターまで、さまざまな中国映画が世界で存在感を増していると指摘しました。これは、一部の話題作だけでなく、映画産業全体の地力が高まっていることを示していると言えます。
『Ne Zha 2』に象徴される成功と「上げ潮」が意味するもの
インタビューの中でキアング氏は、中国映画の成功例として作品『Ne Zha 2』に触れました。この作品のヒットは、中国映画が国内市場だけでなく、国際的な視野でも注目されつつある流れの一部として語られています。
彼女が引用した英語のことわざ「a rising tide raises all ships(上げ潮はすべての船を持ち上げる)」は、個々の作品の成功が、他の映画制作者や関連産業にも良い影響をもたらすという意味です。ある作品のヒットが、次のチャレンジを支える土台となり、より多様で質の高い作品が生まれるサイクルが動き出しているという見方です。
インディペンデントから大作まで、広がる中国映画の地平
キアング氏が強調したのは、大作だけでなくインディペンデント作品にも光が当たり始めている点です。派手なアクションだけでなく、静かなドラマや挑戦的な表現を試みる作品が注目される余地も広がっています。
こうした動きは、中国映画の「顔」が一つではないことを示します。歴史もの、ファンタジー、アクション、アニメーション、社会派ドラマなど、多様な作品が並び立つことで、観客は自分の関心に合った作品を選びやすくなります。そして、その幅の広さこそが、長期的な成長の土台になります。
日本やアジアの観客にとっての意味
中国映画の存在感が高まることは、日本やアジアの観客にとっても無関係ではありません。配信プラットフォームや映画祭、限定上映を通じて、これまで出会わなかったタイプの中国映画と触れる機会が、今後さらに増えていく可能性があります。
とくにグローバル志向の視聴者にとって、中国映画は「ハリウッドかヨーロッパか」という二択ではない、第三の選択肢としての魅力を持ち始めています。多様な文化背景や物語の語り方に触れることは、自分の価値観や世界の見え方を更新するきっかけにもなります。
「いま、この瞬間」をどうキャッチするか
インタビューの最後に、キアング氏は「中国映画にとって本当にエキサイティングな時期だ」と語りました。この「いまこの瞬間」をどう受け取るかは、観客一人ひとりに委ねられています。
・映画館や配信で、中国映画の新作にあえて手を伸ばしてみる
・映画祭のラインナップをチェックし、監督や国ではなく作品そのものの魅力で選んでみる
・SNSや友人との会話で、気になった中国映画について感想を共有してみる
こうした小さな行動の積み重ねが、国境を越えた映画の対話を豊かにしていきます。第15回北京国際映画祭でのジェシカ・キアング氏の言葉は、中国映画の未来だけでなく、アジアの観客である私たち自身の楽しみ方を広げるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








