劉慈欣が語るSFの本質:時間と空間を旅するロマン video poster
中国のSF作家・劉慈欣さんが、中国の映画賞「華表映画賞」の場で、SFは「とてもロマンチックな文学ジャンル」だと語りました。時間と空間を自由に行き来するSFの魅力と、現在制作中の新作ドラマ「Ball Lightning(ボールライトニング)」の意味を、日本語で整理します。
- SFは「とてもロマンチックな文学ジャンル」だと位置づけた
- 伝統的なロマン文学よりも、時間と空間のスケールがはるかに広いと説明
- 新作テレビドラマ「Ball Lightning」は、自然の神秘に分け入る作品として制作中
中国SF作家・劉慈欣、華表映画賞で語るSF観
華表映画賞の壇上で、劉慈欣さんはSFを「とてもロマンチックな文学ジャンル」と表現しました。ここで言うロマンは、恋愛中心の物語というより、「未知への憧れ」や「遠い世界への旅」を含んだ、広い意味でのロマンです。
劉さんは、いわゆる伝統的なロマン文学と比べながら、SFはもっと大きなキャンバスを持っていると説明しました。そのキャンバスとは、時間と空間という、物語の舞台そのものを無限に広げていくための枠組みです。
時間と空間を旅する「ロマン」とは何か
劉慈欣さんが語る「ロマンチックなSF」は、次のような要素を含んでいると考えられます。
- 時間を越える想像力:過去や未来、あるいは時間の流れ自体が変化した世界を描くことで、私たちの常識を揺さぶる
- 空間の拡張:地球を飛び出し、宇宙や別世界を舞台にすることで、人間の視野を大きく広げる
- 日常からの距離:現実から少し距離を取ることで、かえって現代社会や自分自身がよく見えてくる
こうした時間と空間のスケールの大きさこそが、劉さんの言う「とてもロマンチックな文学ジャンル」としてのSFの本質だといえます。現実の制約を一度外し、あり得る世界を思い描くこと自体が、一種のロマンなのかもしれません。
新作ドラマ「Ball Lightning(ボールライトニング)」が受け継ぐもの
劉慈欣さんは、現在制作中の新作テレビドラマ「Ball Lightning」についても言及しました。この作品は、そうしたSFのロマンの伝統を受け継ぎながら、「自然の神秘」に分け入る物語になると説明しています。
タイトルの「Ball Lightning」は、日本語では「球電」とも呼ばれる現象を連想させる言葉です。自然界に潜む不思議な現象を題材にしながら、科学と想像力の間にあるギャップを物語として描いていくことが期待されます。
劉さんの説明からは、次のような方向性が見えてきます。
- 自然への畏敬:人間の理解を超えた自然現象に向き合うことで、謙虚さや驚きを取り戻す
- 科学とロマンの両立:科学的な探究心と、物語としてのワクワク感を同時に追求する
- 映像化による広がり:テレビドラマという形で、多くの視聴者がSF的な発想に触れるきっかけをつくる
文学としてのSFだけでなく、映像作品としてのSFも「ロマンチックな旅」であり得るというメッセージが込められているように読み取れます。
2025年の私たちにとってのSF——読み方・見方のヒント
2025年のいま、グローバルなニュースやテクノロジーの変化に日々さらされている私たちにとって、SFは単なる「未来予測」や「派手な映像」ではなく、自分の視点を少し外側から見直すためのツールにもなり得ます。
劉慈欣さんの発言は、次のような問いを静かに投げかけているようにも感じられます。
- 自分は、どんなときに「ロマン」を感じるのか
- 時間や空間のスケールを変えて世界を見ると、何が違って見えるのか
- 科学やテクノロジーを、恐れではなく好奇心とロマンで見つめ直せるか
中国発のSFやドラマに関心がある読者にとって、「SFはロマンチックな文学だ」という劉さんの一言は、作品を楽しむ新しい視点になりそうです。これから公開される「Ball Lightning」が、時間と空間を旅するロマンをどのように映像化するのか、注目していきたいところです。
Reference(s):
Liu Cixin: Sci-fi is a romantic journey through time and space
cgtn.com








