中国本土のライブ音楽ブーム Z世代が変える文化消費 video poster
中国本土でライブ音楽や音楽フェスを中心とした文化消費が急拡大しています。2025年の労働節(メーデー)連休では、観光とエンタメが一体となった動きが、これまでにない人の流れと市場を生み出しました。本記事では、このライブ音楽ブームとZ世代がもたらす変化を、国際ニュースとして日本語でわかりやすく整理します。
今年の労働節連休、過去最多の国内旅行
中国文化旅游部の推計によると、2025年の労働節連休中には、国内旅行が過去最高となる延べ3億5,000万人に達する見込みでした。これは2023年の同じ期間と比べて15%多い水準です。
- 期間中の国内旅行は過去最多の規模
- 2023年同時期比で約15%増
- 移動の背景に、ライブ音楽やフェスなどの文化イベントの存在
この数字は、単なる旅の回復ではなく、旅行と文化体験がセットになった新しい消費スタイルが広がっていることを示しています。
ライブ音楽と音楽フェスが文化経済をけん引
今回の旅行ブームを支えているのが、好調な文化経済です。中国本土各地で開かれるコンサートや音楽フェスティバルの多くはチケットがすぐに売り切れ、ライブエンターテインメントへの需要はかつてないほど高まっています。
若い消費者は「安さ」より共感を重視
若い世代の消費者は、もはや安さだけを追い求めてはいません。重要なのは、自分の美的感覚や感情に響くかどうかです。
具体的には、次のようなポイントが重視されていると考えられます。
- 好きなアーティストやバンドの世界観に浸れるライブ体験
- ステージ演出や会場デザインなど、写真や動画に残したくなる「映え」
- 同じ音楽や趣味を共有する人たちと出会い、つながる一体感
- その土地ならではの文化や街の雰囲気を味わえるローカル体験
こうした要素が組み合わさることで、チケット代以上の体験価値を感じられるイベントが支持を集めているといえます。
Z世代が動かす新しい文化消費
ライブ音楽ブームの背後には、Z世代と呼ばれる若い世代の台頭があります。彼らは、デジタル環境に生まれ育ったデジタルネイティブであり、オンラインとオフラインを行き来しながら、情報や体験を自分なりに選び取っています。
中国本土では、このZ世代が市場トレンドの新たな原動力となりつつあります。音楽やフェスを選ぶ基準も、いわゆるコスパ(コストパフォーマンス)だけでなく、時間の使い方や感情的な満足度まで含めて総合的に判断する傾向が強まっています。また、SNSでの発信を前提に、体験そのものをコンテンツ化する感覚も根付いています。
ライブ会場は自己表現とコミュニティの場
Z世代にとって、ライブ会場やフェス会場は、音楽を聴くだけでなく、自分のスタイルや価値観を表現し、仲間とつながる場でもあります。ファッション、メイク、会場での過ごし方などすべてが、その人らしさを示す手段になっています。
こうした自己表現の場としてのライブ文化が広がることで、音楽イベントは単発の娯楽ではなく、日常生活と地続きの習慣として根付きつつあるように見えます。
CGTNの議論:Z世代はなぜ市場の原動力なのか
国際メディアのCGTNの番組では、司会のAli氏が、Music Vanguardの創設者であるVision Fan氏と、Bubbling Boiling Music & Arts Festivalのパートナー兼プロデューサーであるVanessa Chen氏を招き、中国本土の文化消費の変化について議論しました。
番組では、Z世代が市場トレンドの新しい原動力となっている点に注目し、ライブ音楽やフェスがどのように若い人々の美的感覚や感情に応えているのかが語られました。
この議論から、次のようなポイントが浮かび上がります。
- Z世代は、自分の感性に合った文化体験を積極的に選び取っている
- ライブ音楽やフェスは、そうしたニーズに応える場として拡大している
- 文化消費の変化が、旅行や都市の魅力づくりにも影響を与えている
日本の読者への示唆:観光と文化をどう組み合わせるか
中国本土のライブ音楽ブームは、日本の観光やエンタメ、まちづくりを考えるうえでも示唆に富んでいます。
今回の動きから読み取れるポイントを三つに整理します。
- 量から質へ:安さや回数よりも、一回ごとの体験の濃さが重視される
- 観光と文化の連動:移動そのものではなく、現地でのライブやフェスが旅の目的になる
- Z世代の価値観を起点に企画することの重要性
日本でも、地方都市や観光地が音楽やアートイベントと組み合わせることで、滞在時間やリピーターを増やせる可能性があります。価格競争に頼るのではなく、ストーリー性のある体験をどう設計するかが問われているといえるでしょう。
中国本土のライブ音楽ブームは、統計に表れる消費額の拡大だけでなく、若い世代が何に価値を感じ、どのように時間とお金を使おうとしているのかを映し出しています。Z世代を中心とした新しい文化消費の波は、今後アジア全体の市場にも静かに影響を広げていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








