フランス人アーティストが廃棄電子機器を楽器に 中国で響くサステナブルサウンド video poster
フランス人アーティストGuibogは、この20年以上を中国で過ごし、北京の胡同に集まる廃棄電子機器からサウンドアートを生み出してきました。古代の中国哲学と最先端のテクノロジー、そしてリサイクルを組み合わせたその活動は、国際ニュースとしても注目されるサステナブルアートの実験場になっています。
使われなくなった回路基板が、突然しゃべり出す。そこに流れ込むのは、荘子の思想とAIが交差する、不思議で少し未来的な音の世界です。本記事では、Guibogの音の錬金術ともいえる試みを、日本語でやさしくひもときます。
北京の胡同で生まれるサウンドアート
Guibogの制作拠点は、中国の首都・北京にある胡同と呼ばれる細い路地のエリアです。そこで見つかる廃棄された回路基板や電子部品は、本来なら処分されるはずのものですが、彼の手によって話す音の機械へと姿を変えます。
回路基板とは、電子機器の中に組み込まれている薄い板状の部品で、チップや配線がびっしりと並んでいます。Guibogはこの無機質な部品にセンサーやスピーカーを組み合わせ、触れたり動かしたりすることで音が立ち上がる装置として再構成します。
- 街で捨てられた回路基板を拾い集める
- 音を検知・再生する仕組みを組み込み、声や音を宿らせる
- 観客が触れることで音が変化するインタラクティブな作品に仕上げる
こうして、もとは静かだった電子ごみが、都市の記憶や息づかいを語り始めるようなサウンドマシンへと変わっていきます。
フランスから中国へ 音の錬金術を育てた20年
Guibogはフランス出身のアーティストですが、20年以上にわたって中国で暮らし、制作活動を続けています。異なる文化や言語の中で生活しながら、日常的に目にする電子ごみや路地の風景が、作品の重要なモチーフになっていきました。
デジタルネイティブ世代にとって、スマートフォンやパソコンは身近な存在です。その一方で、使われなくなった端末や回路基板がどこへ行くのかを意識する機会は多くありません。Guibogの作品は、そうした見えにくい部分を、音と光で可視化する試みとも言えます。
荘子をAIにしたら、何が聞こえてくるのか
Guibogのサウンドアートの特徴は、物理的なリサイクルだけではありません。中国哲学を代表する思想家である荘子の世界観と、AIなどの先端テクノロジーを組み合わせている点にも注目が集まります。
もし荘子をAIにできたらどうなるのか。この問いは、作品づくりの重要な出発点になっています。荘子の物語や比喩、そして現代のデータやアルゴリズムが混ざり合うことで、回路基板から流れ出す音は、単なるノイズや効果音ではなく、人間と機械、過去と未来の境界を揺さぶる声となります。
AIが哲学者の思考をなぞるとき、私たちは何を聞いているのでしょうか。古典のテキストなのか、アルゴリズムが生成したパターンなのか、それともその間に生まれる全く新しい何かなのか。Guibogの作品は、その問いを、ことばではなく音で投げかけます。
リサイクルと想像力が交わるサステナブルアート
Guibogのプロジェクトは、環境問題への直接的なメッセージを掲げているわけではありませんが、その根底にはサステナブルな発想があります。使い終わった電子機器を素材として再利用することで、廃棄物を減らしつつ、新しい価値を生み出そうとしているからです。
重要なのは、リサイクルが単なる再利用にとどまらず、想像力と結びついている点です。廃棄された回路基板が楽器や話し手へと変わるプロセスは、物質のリサイクルであると同時に、都市の記憶や哲学的なアイデアのリサイクルでもあります。
- 素材は、北京の胡同で見つかる捨てられた電子部品
- コンセプトは、荘子や古代中国哲学と未来のテクノロジーの融合
- アウトプットは、観客が触れて体験するサウンドマシン
この組み合わせによって、Guibogの作品は、環境、テクノロジー、文化を横断する国際的なアートプロジェクトとして位置づけられています。
私たちの日常への問いかけ
Guibogのサウンドマシンを前にすると、多くの人がまずこれは何の音だろうと耳を傾けるはずです。しかし、その先にはもう一つの問いが浮かび上がります。私たちは、日々手放しているモノやデータ、時間を、本当に役目を終えたものとして扱って良いのかという問いです。
スマートフォンを買い替え、古いノートパソコンを眠らせ、使わなくなったガジェットを引き出しの奥にしまう。こうした行動の延長線上に、北京の胡同に積み上がる回路基板があり、それを素材にしたGuibogのサウンドアートがあります。
荘子とAI、廃棄された電子機器と新しい音楽。この一見ちぐはぐな組み合わせは、2025年を生きる私たちの生活そのものを映し出しているのかもしれません。アナログとデジタル、ローカルとグローバル、過去と未来。その境界を軽やかに行き来するGuibogの作品は、日常のニュースの流れに紛れがちな問いを、そっと耳元でささやいてくれます。
SNSでシェアしたくなる視点
newstomo.comの読者にとって、Guibogの試みは次のような話題としてSNSで共有しやすいテーマになりそうです。
- 廃棄電子機器を使ったサウンドアートという意外性
- 荘子とAIを組み合わせるという発想のユニークさ
- 中国の都市・北京の胡同から生まれるグローバルなアートプロジェクト
身の回りの古いガジェットを見つめ直したくなるこの物語を、ぜひ家族や友人、オンラインコミュニティとの会話のきっかけとしてシェアしてみてください。
Reference(s):
cgtn.com








