米国関税引き上げでも好調 義烏国際貿易市場のビジネス最前線 video poster
米国政府が中国などからの輸入品に対する関税を相次いで引き上げるなかでも、中国浙江省の義烏(イーウー)にある義烏国際貿易市場では、取引が依然として活発です。今年2025年の第1四半期、義烏の輸出入総額は1674億5,000万元(約230億ドル)と、前年同期比で13%増加しました。
関税の逆風が続く中で、なぜビジネスが伸びているのでしょうか。本記事では、世界最大級の小商品卸売拠点である義烏国際貿易市場の現状と、商人たちが取っている戦略を、日本語で分かりやすく整理します。
義烏国際貿易市場とは何か
義烏国際貿易市場は、生活雑貨や日用品などの小商品を扱う世界最大の卸売市場とされています。膨大な数の店舗が集まり、世界各地から訪れるバイヤーに向けて、文具、アクセサリー、キッチン用品、季節商品など、多様な商品を提供しています。
こうした小商品は、コンビニエンスストアや量販店、オンラインショップなど、私たちの身近な場所にも流れ込んでいくため、義烏は世界の消費トレンドを映す鏡のような存在でもあります。
米国の関税引き上げと義烏の数字
最近、米国政府は中国を含む複数の貿易相手国からの輸入品に対して関税を引き上げています。本来であれば、中国から米国向けに輸出する企業にとって、コスト増や価格競争力の低下につながりかねない動きです。
しかし、義烏の貿易統計を見ると、必ずしも悲観的な状況にはなっていません。2025年第1四半期の義烏の輸出入総額は1674億5,000万元(約230億ドル)に達し、前年同期比で13%増加しました。米国の関税政策が続く中でも、義烏のビジネスは減速するどころか、むしろ拡大を続けていることになります。
商人たちの戦略:製品イノベーションと市場拡大
義烏の商人たちは、米国の関税引き上げによる影響を和らげるため、いくつかの方向性を強めているとされています。その中心にあるのが、製品イノベーションと国際市場の拡大です。
製品イノベーションで付加価値を高める
まず、単純な低価格競争から抜け出すために、商品の品質やデザインを高める取り組みが進んでいます。形や色、素材を工夫したり、機能を追加したりすることで、同じカテゴリの商品でもより高い付加価値を持たせる狙いがあります。
関税によって最終価格が上がりやすい環境では、単に安さだけで選ばれる商品よりも、少し高くても選ばれる商品づくりが重要になります。義烏の商人たちは、こうした方向での製品イノベーションを強めることで、関税負担を吸収しようとしています。
より広い国際市場を開拓する
もう一つの柱が、市場の多様化です。米国向けのビジネスに過度に依存せず、より幅広い国際市場に販路を広げる動きが目立ちます。報道によれば、多くの商人が、さまざまな地域のバイヤーとの取引を拡大しようとしています。
特定の国の関税政策に左右されにくいよう、複数の市場を組み合わせることで、リスク分散を図る考え方です。義烏の輸出入が全体として伸びている背景には、このような「市場のポートフォリオ」を意識した戦略があると考えられます。
関税の時代にビジネスはどう変わるか
義烏のケースは、関税や通商摩擦が激しくなる時代においても、現場レベルでの工夫次第でビジネスを伸ばす余地があることを示しています。ここから見えてくるポイントは、次のように整理できます。
- 一つの国や市場に依存しすぎないよう、販路を分散する。
- 価格だけでなく、品質やデザインなどの付加価値で選ばれる商品を増やす。
- 外部環境の変化を前提として、事業の方向性を柔軟に見直す。
こうした視点は、大企業だけでなく、中小企業や個人事業主にとっても参考になります。目の前の市場が厳しくなったときに、他の市場や新しい商品づくりに目を向けられるかどうかが、持続的な成長の分かれ目になり得ます。
日本の読者にとっての示唆
日本でも、為替変動や貿易政策の変化、サプライチェーンの見直しなど、不確実な要因が増えています。義烏国際貿易市場の動きは、そうした環境の中で企業や商人がどのように対応し得るかを考えるヒントになります。
- 海外との取引を行う企業は、特定の国に偏らない市場戦略を検討する。
- 国内市場を中心とする企業も、製品やサービスの差別化を通じて価格以外の強みを磨く。
- 日々のニュースを、数字だけでなく現場の動きとセットで読み解く習慣を持つ。
義烏の事例を入り口にして、国際ニュースを「遠い世界の話」としてではなく、自分の仕事や生活ともつながるテーマとして捉え直してみることができそうです。
今後の注目ポイント
2025年も、世界経済や通商政策をめぐる不確実性は続くとみられます。その中で、義烏国際貿易市場がどこまで成長を維持できるのか、また製品イノベーションと市場多様化の戦略がどのような成果を上げるのかは、今後も注目すべきポイントです。
関税のニュースだけでは見えにくい、現場の商人たちの動きや工夫に目を向けることで、国際ニュースをより立体的に理解することができます。
Reference(s):
cgtn.com








