杭州・飛来峰を歩く:石灰岩の奇峰に刻まれた仏教石窟の世界
杭州の飛来峰は、霊隠寺の正面にそびえる石灰岩の峰です。ごつごつとした岩肌と深い洞窟、340体を超える仏教石窟像が一体となり、西湖の文化的景観を象徴する場所になっています。
杭州・飛来峰とは?
飛来峰は、中国の杭州にある霊隠寺の前に位置する石灰岩の山です。ごつごつとした岩肌と、山腹に続くいくつもの深い洞窟が、その景観の大きな特徴になっています。
また飛来峰は、西湖の文化的景観遺産を構成する重要な一部とされています。歴史と自然が重なり合うこの場所を理解することは、西湖という地域全体の物語を読み解く手がかりにもなります。
石灰岩に刻まれた340体超の仏教石窟
飛来峰の山腹には、五代から宋、元の各時代にかけて造られた仏教の石窟像が残されています。その数は340体を超えるとされ、長い時間をかけて信仰と美意識が積み重ねられてきたことがうかがえます。
なかでも、宋代につくられた弥勒(マイトレーヤ)の像は、飛来峰を代表する存在として知られています。訪れる人の多くが、この弥勒像の表情や佇まいに目を奪われることでしょう。
清流と古木がつくる自然の舞台
飛来峰の麓には澄んだ流れがあり、その周囲にはそびえ立つ古い木々が生えています。こうした自然の要素が、山に刻まれた宗教芸術と溶け合い、独特の雰囲気を形づくっています。
自然そのものが背景となることで、石窟仏像は単なる美術作品ではなく、周囲の水や木、岩と一体となった場として立ち現れます。都市のスピード感から離れ、時間の層を感じるような体験を想像できるのではないでしょうか。
済公伝説が添える物語
飛来峰の名前には、伝説も結びついています。言い伝えによると、あるとき済公という人物が、空から飛んできたように見える大きな岩の正体を見抜いたことから、この峰は「飛来峰」と呼ばれるようになったとされています。
事実かどうかはともかく、この短い物語があることで、飛来峰という地形そのものに、人々の想像力や信仰が重ねられてきたことが伝わってきます。岩山を前にしたとき、そこにどんな物語を読み取るかは、現代を生きる私たち一人ひとりに委ねられています。
2025年の私たちが読み取る「飛来峰」という風景
2025年の今、スマートフォンの画面越しに世界各地の景色を眺めることは簡単になりました。その一方で、飛来峰のように、長い時間の中で自然と人の営みが折り重なってきた場所の意味を、改めて考えたくなる人も増えているかもしれません。
石灰岩の奇峰、340体を超える仏教石窟像、清流と古木、そして済公の伝説。こうした要素が一つの空間に凝縮されている飛来峰は、景色を見るという行為そのものに、少しだけ別の角度から光を当ててくれます。歴史や宗教に詳しくなくても、自然と人が一緒に時間を刻んできた場所として、この風景を心にとどめておく価値はありそうです。
Reference(s):
Hangzhou's Feilai Peak: Ancient Grottoes Amidst Limestone Splendor
cgtn.com








