トランプ大統領がハーバード留学生の「氏名と出身国」提出要求 法廷闘争に発展
アメリカのトランプ大統領が、ハーバード大学に在籍するすべての国際学生の「氏名と出身国」を明らかにするよう要求し、連邦政府と名門大学の対立が表面化しています。本記事では、この国際ニュースのポイントと背景を日本語で整理します。
トランプ大統領「全留学生の氏名と出身国を」
トランプ大統領は日曜日、自身のSNS「Truth Social」への投稿で、ハーバード大学に在籍するすべての国際学生について「その外国人学生が誰なのか知りたい。われわれはハーバードに数十億ドルを与えているのだから当然の要求だが、ハーバードは率直とは言えない」と述べ、「氏名と出身国」を求める考えを示しました。
さらに大統領は、ハーバードの学生の「ほぼ31パーセントが外国から来ている」と主張しながら、「それらの国々の中にはアメリカにまったく友好的でない国もあり、そうした国々は学生の教育費を一切負担しておらず、今後も払うつもりはない」「そんなことは誰も教えてくれなかった」と不満を表明しました。
同じ投稿の中で、大統領はハーバード大学に対し、今後の連邦政府からの資金支援の申請をやめるよう求めています。
政府は留学生受け入れ資格の取り消しを通告
こうした発言に先立つ木曜日には、アメリカ国土安全保障省が、ハーバード大学の学生・交流訪問者プログラムの認証を取り消す方針を発表しました。この認証が失われれば、ハーバード大学は新たな国際学生を受け入れられなくなり、現在在籍する国際学生も、他大学へ転学するか、在留資格を失うリスクに直面するとされています。
ハーバードは提訴、連邦判事が一時差し止め
国土安全保障省の発表を受け、ハーバード大学は直ちに連邦政府を相手取って提訴しました。マサチューセッツ州の連邦判事は金曜日、政府が留学生受け入れ禁止措置を執行することを一時的に禁じる命令を出し、今後予定される本格的な審理まで現状を維持するよう命じました。
これにより、ハーバード大学は当面、国際学生の受け入れ能力を維持することになりますが、最終的な判断は今後の法廷での争いに委ねられています。
数字で見るハーバードの国際学生
ハーバード大学が公表している2023年秋学期時点のデータによると、同大学の学生構成は次のようになっています。
- 国際学生は全体の27パーセント超を占める
- 約6800人の国際学生と研究者が在籍
- 出身は140以上の国や地域に広がる
- 多くは大学院レベルの学位取得を目指している
国際学生は、アメリカの高等教育機関にとって重要な収入源となっているとも指摘されています。
プライバシー、学問の自由、移民政策が交差
今回の一連の動きは、単に一つの大学と政権の対立にとどまらず、いくつかの論点が重なり合っています。
- 学生のプライバシー保護:特定の大学に在籍するすべての国際学生の氏名と出身国を政府に提出させる要求は、学生のプライバシーや安全にどう影響するのかという議論を呼んでいます。
- 学問の自由と大学の自治:連邦政府による認証取り消しや資金をめぐる圧力は、大学の自治や学問の自由との関係でどこまで許容されるのかが問われています。
- 移民・留学生政策の方向性:国際学生は教育と経済の両面でアメリカにとって重要な存在ですが、安全保障や政治状況を理由に受け入れを制限しようとする動きもあり、そのバランスが焦点となっています。
日本の読者にとっての意味
ハーバード大学には、日本を含む多くの国や地域から学生や研究者が集まっています。アメリカの政権と大学のせめぎ合いは、今後の留学制度やビザ政策にも影響を与える可能性があり、日本からの留学を検討する人にとっても無関係ではありません。
今回の国際ニュースは、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 安全保障と個人情報保護はどう両立させるべきか
- 大学はどこまで政府から独立しているべきか
- 国境を越えた学びや研究を、社会としてどう支えていくのか
連邦裁判所での審理が進む中、ハーバード大学とトランプ政権のせめぎ合いが、アメリカの高等教育と国際学生政策をどの方向へ動かしていくのか、今後も注視する必要があります。
Reference(s):
Trump demands 'names and countries' of Harvard's foreign students
cgtn.com








