米連邦地裁、トランプ政権のハーバード留学生受け入れ停止を一時差し止め
米連邦地裁、トランプ政権の措置にストップ
米マサチューセッツ州の連邦地裁が、トランプ政権によるハーバード大学の国際学生(留学生)受け入れ認可の取り消しを一時的に差し止めました。国際ニュースとして、米国の大学で学ぶことを目指す人々にとって重要な判断です。
現地時間29日の審理で仮差し止めを認める
米メディアの報道によると、現地時間29日、マサチューセッツ州の連邦判事アリソン・D・バローズ氏は、ハーバード大学が求めていた仮差し止め命令の申立てを認めました。これにより、トランプ政権が同大学の国際学生受け入れ能力を取り消す決定は、現時点では効力を持たないことになります。
同日開かれた公判で、バローズ判事はすでに出していた一時的な差し止め命令(Temporary Restraining Order、TRO)を引き続き維持すると述べています。裁判所のウェブサイトによると、このTROは今後出される予備的差し止め命令(preliminary injunction)に置き換えられるまで効力を持ち続ける見通しです。
判事は、トランプ政権側とハーバード大学側が協議し、命令の具体的な内容について提案書を提出した後に、最終的な予備的差し止め命令を正式に発出するとしています。
5月に何があったのか:国土安全保障省の決定と訴訟
今回の争いの発端は、5月22日のアメリカ国土安全保障省(DHS)の発表でした。同省は、ハーバード大学の学生・交流訪問者プログラム(Student and Exchange Visitor Program:SEVP)に関する認証を取り消すとし、同大学が国際学生を新たに受け入れることを禁じる方針を示しました。
これに対しハーバード大学は翌23日、トランプ政権を相手取って訴訟を起こしました。同じ23日、バローズ判事は、審理が行われるまで現状を維持するための一時的な差し止め命令を出し、大学側の受け入れ認可が即座に失効する事態を防ぎました。
今どうなっているのか:ハーバードは留学生受け入れを継続可能
現在の裁判所の判断の下では、ハーバード大学は引き続き国際学生を受け入れることができます。トランプ政権による認可取り消しは、少なくとも予備的差し止め命令が続く間は実施できない状態です。
一方で、国土安全保障省は、ハーバード大学からSEVP認証を取り消すための行政手続きを追及する意向を変えていません。つまり、今回の判断は大学側にとっていったんの時間稼ぎにはなったものの、根本的な対立は続いているといえます。
予備的差し止め命令とは何か:短期と中期のセーフティーネット
今回の国際ニュースの背景には、アメリカの司法制度のしくみがあります。TRO(一時的差し止め命令)は、緊急に現状を維持する必要がある場合に、短期間だけ効力を持つ命令です。その後、より長い期間にわたり効力を持つのが予備的差し止め命令で、本格的な裁判の結論が出るまでのセーフティーネットとして機能します。
バローズ判事は、まずTROでハーバード大学の受け入れ認可を守り、そのうえで予備的差し止め命令へと移行させる方針を示しています。これにより、大学や国際学生が突然の政策変更で即時に影響を受ける事態を避けようとしていると見ることができます。
国際学生と大学にとっての意味
今回の裁判所の判断により、ハーバード大学に進学・在籍する国際学生は、少なくとも当面は受け入れ停止を心配せずに済む状況になりました。大学側も、入学選考や研究活動などを大きく変更する必要はなくなっています。
しかし、国土安全保障省が行政手続きを継続する姿勢を崩していないことから、法廷での攻防は今後も続く可能性が高いとみられます。国際学生の受け入れ政策が政権の判断によって左右される状況は、学生や大学だけでなく、国際的な学術交流全体にも影響を与えかねません。
今回のケースは、アメリカ政治と司法の関係、そして国際ニュースとしての高等教育政策の行方を考えるうえで、今後も注目すべき動きだといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








