米国が外国映画に100%関税案 揺れる世界の映画産業 video poster
米国が外国映画に100%関税案 世界の映画産業に広がる波紋
米国のトランプ政権が、国内で上映される「国外で製作されたすべての映画」に対して、100%の関税を課すことを検討していると伝えられています。すでに技術革新や視聴習慣の変化で揺れている映画産業にとって、新たな不安材料となっています。
何が議論されているのか
報道によると、対象となるのは米国以外で製作された映画で、米国内で上映される作品すべてに100%の関税を上乗せする案です。実際に関税がどの段階で課されるのかなど、制度の詳細はまだ明らかになっていませんが、映画館でのチケット価格や、配給会社のコスト構造に大きな影響が出る可能性があります。
この構想が実行に移されれば、米国の映画市場で上映される外国映画の本数が減ったり、特に小規模なインディペンデント作品や芸術映画が締め出されるのではないかとの懸念が広がっています。
世界の映画人が抱く危機感
各国の映画監督やプロデューサー、配給会社からは、「ただでさえ厳しい状況の映画産業が、さらに不安定になる」という声が上がっています。米国市場は、興行収入だけでなく、作品の評価や国際的な認知度を高める意味でも重要な位置を占めているからです。
中国の国際ニュースチャンネルであるCGTNのフランク・コントレラス記者は、メキシコシティから現地の反応を伝えています。米国向けの上映や配給に期待してきた中南米の映画人にとっても、100%関税は大きな打撃になり得ると見られています。
すでに変化の渦中にある映画ビジネス
今回の関税案が特に懸念される背景には、映画産業そのものが大きな構造変化の真っ最中にあることがあります。ストリーミングサービスや動画配信が急速に広がり、観客の視聴習慣はここ数年で大きく変わってきました。
映画館での興行収入に依存するビジネスモデルは揺らぎつつあり、各国の制作者は限られた予算の中で作品を作り続けています。そうした中で、米国市場に参入するハードルが一気に上がれば、新しい才能や多様な作品が世界に届きにくくなる可能性があります。
文化と貿易が交差する「関税」という選択
関税は本来、モノやサービスの貿易を巡る政策手段ですが、今回は「映画」という文化コンテンツが直接の対象となっています。これは、貿易政策と文化政策が重なり合う、象徴的な事例とも言えます。
関税が導入されれば、短期的には米国の観客が支払うチケット代の上昇や、外国映画の上映本数の減少といった形で影響が現れるかもしれません。長期的には、米国以外の映画市場の強化や、オンライン配信へのシフトが加速する可能性も指摘されています。
日本とアジアにとっての意味
日本やアジアの作品にとって、米国での上映は、必ずしも大ヒットを狙うだけでなく、「映画祭で評価される」「限定公開で熱心なファンを獲得する」といった形で重要な役割を果たしてきました。
100%関税が現実になれば、こうした作品の米国公開が見送られたり、上映規模がさらに小さくなる懸念があります。結果として、日本やアジアの映画が米国の観客に届く機会が減り、相互の理解や文化交流のチャンネルも狭まる可能性があります。
これから注目すべきポイント
2025年12月現在、この関税案は「検討段階」と伝えられており、最終的にどのような形で決定されるかは見通せません。今後、次のような点が焦点になりそうです。
- 米国内で示される正式な制度案の内容とスケジュール
- ハリウッドのスタジオや映画館チェーン、配給会社の反応
- 各国の映画業界団体や政府による対応や協議の行方
- 映画館公開とオンライン配信作品の扱いの違いがどう整理されるか
- 国際映画祭や共同制作プロジェクトへの波及効果
「観る側」としてできること
映画は娯楽であると同時に、国や地域を超えて人々をつなぐ文化でもあります。どのような政策が決まるにせよ、観客一人ひとりが多様な作品を選び、語り合うことが、文化としての映画を支える力になります。
米国の関税論議は遠い国の話に見えるかもしれませんが、日本やアジアの作品が世界でどう受け止められるかという問題ともつながっています。今後の動きに注目しつつ、自分たちがどんな映画体験を大切にしたいのか、あらためて考えてみるタイミングと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








