大阪万博中国館で貴州の無形文化遺産が主役に video poster
大阪・関西万博(Expo 2025 Osaka)の中国館で、貴州省の無形文化遺産を前面に出したテーマウィークが6月5日に始まりました。カラフルな染色や繊細な刺しゅう、銀細工など、現地で受け継がれてきた「生きた文化遺産」が来場者の注目を集めています。
大阪万博中国館で「Colorful Guizhou, Green Future」
今回のテーマウィーク「Colorful Guizhou, Green Future」は、中国南西部・貴州省の文化と、環境に配慮した未来像をあわせて紹介する企画です。今年6月5日に中国館でスタートし、国際ニュースとしても大阪万博の新たな見どころになりました。
会場では、都市のイメージとは少し違う、山あいの地域ならではの暮らしや色彩が、工芸やデザインを通じて表現されています。大量生産ではなく、手仕事に支えられてきた文化を通じて、来場者は中国の多様性に触れることができます。
貴州省の無形文化遺産が伝えるもの
今回クローズアップされたのは、目に見える建物や遺跡ではなく、技や知恵そのものを守り伝える「無形文化遺産」です。貴州省からは、なかでも次のような伝統技法が紹介されています。
ろうけつ染め、刺しゅう、銀細工
- ろうけつ染め(バティック):布にろうを置いて模様を描き、染め上げることで独特のにじみやパターンを生み出す技法。世代を超えて受け継がれてきたとされる、貴州を代表する染色文化です。
- 刺しゅう:細やかなステッチで、自然や物語を布の上に描き出す手仕事。時間をかけて一針ずつ進める作業は、地域の美意識や生活のリズムを映し出します。
- 銀細工:装身具や祭礼用の品として発展してきた銀細工は、線や模様の緻密さが特徴です。金属を打ち延ばし、彫り込み、形づくる工程には、長年の経験が必要だとされています。
これらはいずれも、数百年にわたり受け継がれてきたとされる技術です。展示では、制作工程や作品が紹介され、貴州の人々の暮らしや価値観が、物語として伝わる構成になっています。
マオタイの日が象徴するブランドの継承
テーマウィークの中でも特に注目を集めたのが、「マオタイの日」と呼ばれる特別イベントです。約100年の歴史を持つ酒造ブランド、マオタイは、この日を記念して、万博のための特別な記念ボトルを披露しました。
長い歴史を持つブランドが、新しいデザインのボトルという形で万博に参加することは、伝統と革新が共存する現在の中国を象徴する動きとも言えます。単なる商品の紹介ではなく、地域の気候や風土と結びついた酒造文化そのものを、世界の来場者に伝える試みでもあります。
ローカルな文化から「グリーンな未来」を考える
今回の企画タイトルには、「Colorful(カラフル)」と「Green(グリーン)」という二つのキーワードが含まれています。多様な文化を表すカラフルと、環境や持続可能性を連想させるグリーン。その組み合わせは、これからの国際社会が目指す方向性とも重なります。
手仕事の工芸は、時間も手間もかかりますが、その分、素材を無駄にせず、自然との距離も近い暮らしとつながってきました。貴州の無形文化遺産を通じて、私たちは次のような問いを投げかけられているようにも感じられます。
- 大量生産・大量消費の先に、どのような生活を描くのか
- 地域ごとの文化を、どのように未来へ引き継いでいくのか
- 観光や万博をきっかけに、互いの価値観をどう共有していくのか
2025年の大阪・関西万博は、最新テクノロジーだけでなく、こうしたローカルな伝統や無形文化遺産にも光を当てています。中国館の貴州特集は、その象徴的な一つの例と言えるでしょう。日々のニュースを追う合間に、世界各地の「生きた文化遺産」に目を向けてみると、グローバル化の中で何を守り、何を更新していくのかを考えるきっかけになります。
Reference(s):
Living heritage steals spotlight at Osaka Expo's China Pavilion
cgtn.com








