上海の老舗映画館・曹杨電影院がレトロ切符とアニメ壁画で再生
上海の老舗映画館・曹杨電影院が、今年の上海国際映画祭に合わせてレトロな切符デザインやアニメ文化の壁面展示を導入し、若い映画ファンが集まる新たなスポットとして注目を集めています。
60年以上の歴史を持つ曹杨電影院
上海曹杨電影院は、もともと曹杨劇場として1959年に建てられた映画館で、60年以上の歴史を持つ文化施設です。長年にわたり、地域の人びとに親しまれてきたほか、上海国際映画祭の上映会場としても複数回利用されてきました。
デジタル配信が当たり前になった今も、歴史ある映画館でスクリーンを前に作品と向き合う時間は、特別な体験として支持されています。曹杨電影院は、その歴史を大切にしながら、新しい世代の観客にも届く工夫を進めています。
今年の上海国際映画祭で復活した1970年代風チケット
2025年の上海国際映画祭では、曹杨電影院が1970年代のチケット半券のデザインを復活させました。紙の質感や色合いを思わせるクラシックなデザインは、かつて映画館に通っていた世代には懐かしく、若い世代には新鮮に映るものです。
この復刻チケットに加えて、劇場の歴史や映画をテーマにしたさまざまなクリエーティブ商品も登場しました。こうした限定アイテムは、映画祭の記念として持ち帰れる形で、観客の体験を長く記憶に残す役割を果たしています。
- 1970年代風のレトロなチケットデザイン
- 映画館の歴史をモチーフにした関連グッズ
- 映画祭と連動した限定アイテム
映画を見るだけでなく、チケットやグッズも含めたトータルな体験として楽しめることが、曹杨電影院の試みのポイントと言えます。
アニメ文化の壁とクラシック映画ポスターが撮影スポットに
館内には、アニメ文化をテーマにした壁面展示や、クラシック映画のポスターを復刻したレプリカが飾られています。これらは映画ファンにとって、思わず写真を撮りたくなるフォトスポットとして人気です。
アニメ文化の壁は、現代のポップカルチャーと映画館という伝統的な空間をつなぐ存在となっています。一方、復刻されたクラシック映画のポスターは、映画史への入り口として、観客に過去の作品への興味を促します。
スマートフォンでの撮影が当たり前になった今、
- アニメ文化の壁で写真を撮り、SNSで共有する
- クラシック映画ポスターの前で記念撮影をする
- ハッシュタグを付けて映画好き同士で交流する
といった楽しみ方が広がっています。曹杨電影院は、多くの観客にとって、作品鑑賞と発信の両方ができる場所となりつつあります。
なぜ今、古い映画館のアップデートが重要なのか
ストリーミングサービスの普及で、自宅で映画を観る環境が整った一方で、映画館に足を運ぶ意味が改めて問い直されています。こうした中で、歴史ある映画館が新しいデザインや展示を取り入れる動きは、世界各地で見られる傾向です。
曹杨電影院の取り組みからは、次のようなポイントが見えてきます。
- 単なる上映施設ではなく、映画文化を体感する場としての映画館
- レトロデザインを通じて、世代や時代をつなぐ工夫
- 写真映えする空間づくりによる、SNS時代の発信力の向上
特に、若い観客にとっては、映画館そのものが一つの目的地や観光スポットになり得ます。作品と空間をセットで楽しめるかどうかが、映画館の魅力を左右しつつあります。
レトロとデジタルのかけ合わせ
1970年代風のチケットと、アニメ文化の壁や写真撮影を前提とした展示という組み合わせは、レトロとデジタル時代の感性が共存する試みとも言えます。
観客は、紙のチケットを手に取りつつ、スマートフォンで写真を撮り、SNSに投稿します。過去の映画文化への敬意と、現在のデジタルなコミュニケーションが一つの空間で重なり合っている点が、曹杨電影院の特徴です。
映画ファンにとっての新しい「集まる理由」
曹杨電影院の変化は、映画ファンにとって、映画館に再び足を運ぶ理由を増やしていると見ることができます。
- 作品だけでなく、空間そのものを楽しめる
- レトロなデザインを通じて映画の歴史を感じられる
- アニメ文化やポスター展示をきっかけに、友人や家族と会話が生まれる
2025年の今、映画館は単なる上映の場所から、映画文化を共有し、発信し、世代を越えてつながる場へと変わりつつあります。上海の曹杨電影院は、その変化を象徴する一つの例と言えるでしょう。
次に上海を訪れる機会があれば、作品のラインナップだけでなく、映画館そのもののデザインや展示にも注目してみると、映画体験が一段と豊かになるかもしれません。
Reference(s):
Film-inspired designs breathe new life into revered Shanghai cinema
cgtn.com








