国際文明対話デーとロンドンの中国茶・衣装イベント
2024年9月に国連総会第78会期で採択された「文明間対話のための国際デー」。その初の記念日となった今年、ロンドンでは中国茶と衣装をテーマにしたイベントが開かれ、文明が出会い語り合う場づくりが進んでいます。
国連が定めた「文明間対話のための国際デー」とは
2024年9月、国連総会第78会期で、毎年6月10日を「文明間対話のための国際デー」と宣言する決議が採択されました。この決議は中国が提出し、80か国以上が共同提案国として参加しました。
国連が定める国際デーは、特定のテーマについて世界的な関心を高め、行動を促すことを目的としています。「文明間対話のための国際デー」は、異なる文明や文化、価値観を持つ社会同士が、対話を通じて理解と協力を深めることを呼びかける日です。
ロンドンで開かれた「中国茶とコスチューム」の文化イベント
この初の国際デーに合わせて、イギリスのロンドンでは「Dialogue among Civilizations: Chinese Tea and Costume(文明間の対話:中国茶と衣装)」と題した特別な文化イベントが金曜日に開催されました。共催したのは、在英国中国大使館と北京服装学院(Beijing Institute of Fashion Technology)です。
中国茶と衣装という身近で視覚的なテーマは、中国の歴史や美意識、暮らしの文化に触れるきっかけになります。味覚や視覚を伴う体験は、ことばだけの説明よりも、相手の文化を立体的に理解する手がかりになりやすいとされています。
こうした文化イベントでは、多くの場合、参加者どうしが感想を共有したり、疑問を投げかけたりすることで、「知識として知る中国文化」から「対話を通じて感じる中国文化」へと理解が深まっていきます。文明間対話の理念を、日常のレベルに落とし込む試みだと見ることもできます。
「文明間対話」がいま注目される背景
世界では、文化や価値観の違いが、緊張や不信の要因として語られる場面が少なくありません。SNSやオンライン空間では、断片的な情報やステレオタイプが拡散しやすく、相手の社会を一面的に見てしまうリスクもあります。
そうした中で、「文明間対話のための国際デー」は、次のような姿勢をあらためて意識するきっかけになります。
- 自分とは異なる歴史や文化的背景を持つ相手の声に耳を傾けること
- 固定観念や偏見に気づき、それを相対化しようとすること
- 相違点だけでなく、共通の関心や課題を探し出そうとすること
文明間対話は、抽象的な理念ではなく、一人ひとりが具体的な場面で実践できる行動の積み重ねでもあります。ロンドンの中国茶と衣装のイベントは、その一例として位置づけることができます。
日本の私たちにとってのヒント
日本に暮らす私たちにとっても、「文明間対話」は遠い話ではありません。日常の中でできる小さな一歩を挙げるとすれば、例えば次のようなものがあります。
- 海外の文化イベントや展示会に足を運び、「見る・聴く・味わう」体験を通じて理解を広げる
- ニュースやSNSの情報だけで判断せず、本やドキュメンタリー、現地の人の声など複数の情報源に触れてみる
- 身近な職場や学校のなかで、多様なバックグラウンドを持つ人との対話の場を意識的につくる
国連の新しい国際デーとロンドンの中国茶・衣装イベントは、文明の違いを線引きや対立の材料にするのではなく、「対話の入り口」として捉え直す流れの一端を示しています。ニュースをきっかけに、自分自身のまわりでどんな対話が生み出せるかを考えてみることも、国際デーへのひとつの参加の仕方と言えそうです。
Reference(s):
Dialogue among Civilizations: Chinese tea and costume event in London
cgtn.com








