ウイグルの若きデザイナー・カディリャ アトラスシルクで日常ファッションを変える video poster
伝統的なウイグルの絹織物アトラスシルクを、いま私たちが毎日着られるファッションへ──。幼いころから針と糸を握ってきたウイグルの少女、カディリャ・キイム(Kadirya Kiyim)が、自身のデザインとSNSを通じて、新しいスタイルと文化の物語を世界に発信しています。
母から受け継いだ「縫う力」
カディリャ・キイムは、幼いころから母親に付き添い、縫い方や型紙の取り方を学んできました。母のそばで少しずつ技術を身につけるうちに、彼女は豊富な仕立ての経験を積み重ねてきたといいます。
いまでは、布の質感や体のラインを読み取りながら、一人ひとりに合った服を仕立てることができるまでに成長しました。そのベースにあるのは、家族の中で自然と受け継がれてきたウイグルの手仕事の文化です。
伝統のアトラスシルクを、現代デザインに
カディリャが特に力を入れているのが、伝統的なウイグルのアトラスシルクを使った服づくりです。もともと特別な場面で身に着けられることの多かったこの生地を、彼女は日常のファッションへと取り入れています。
そのアプローチはシンプルですが大胆です。シルエットやディテールは現代的に保ちながら、生地にはアトラスシルクを選ぶことで、普段着の中にさりげなくウイグルの文化を織り込んでいます。こうして、かつては限られた人だけのものだったアトラスが、誰でも手に取りやすい素材へと変わりつつあります。
ホースフェイススカートなど、多彩なアイデア
カディリャのデザインの中でも注目されているのが、ホースフェイススカートと呼ばれるスカートです。動きのあるシルエットを持つこのデザインに、アトラスシルクを組み合わせることで、存在感のある一着に仕上げています。
そのほかにも、ワンピースやトップス、アウターなど、さまざまなアイテムでアトラスシルクを活用しています。トレンドを意識しながらも、素材が持つ文化的な背景を大切にする姿勢が、多くの人の共感を集めています。
SNSが広げるアトラスの物語
カディリャがアトラスシルクの魅力を広げるうえで欠かせないのが、SNSです。彼女は自身の作品を写真や動画で発信し、デザインのポイントだけでなく、生地に込められた思いや文化的な背景も伝えています。
フォロワーは増え続けており、コメント欄には、アトラスシルクを初めて知ったという声や、自分も着てみたいという感想が寄せられています。SNSがあるからこそ、ひとりの若い仕立て職人の試みが、世界中の人々のタイムラインに届いているのです。
日常に「文化」をまとうということ
カディリャ・キイムの挑戦は、単に新しい服を生み出すだけではありません。伝統的なウイグルのアトラスシルクを現代のデザインと組み合わせることで、着る人の日常に文化やストーリーをまとわせる試みでもあります。
2025年のいま、世界中で多様性やローカルな文化への関心が高まるなか、彼女のような若い世代の取り組みは、ファッションが文化やアイデンティティを伝える手段になり得ることを静かに示しています。
私たちが次に選ぶ一着が、どこかの地域の工芸や物語につながっているかもしれない──。カディリャのアトラスシルクの服は、そんな想像力を呼び起こしながら、ファッションの未来を少しずつ縫い上げています。
Reference(s):
cgtn.com








