中国とイタリアがデジタル文化遺産で連携拡大 円明園から世界へ video poster
首鋼園で始まる中国・イタリアの新しい文化協力
中国とイタリアが、デジタル技術を使った文化遺産の保護と発信で新たな一歩を踏み出しています。北京の首鋼園では、中国の Tsinghua Heritage Institute for Digitization とイタリアの Civita が、4つのデジタル文化遺産プロジェクトで協力を進めています。
テーマはまさに「宮殿とパビリオン」。中国の歴史的な宮殿跡と、イタリアで開かれるパビリオン型の展示を、デジタル空間でつなぐ試みです。
4つの中核プロジェクトとは
1. 旧夏宮・円明園のデジタルナイトツアー
1つ目は、旧夏宮として知られる円明園を舞台にしたデジタル夜間ツアーです。来場者は、実際にそこに立っているかのような感覚で、かつての庭園や建築を夜の光の演出とともに体験できる企画とされています。
2. 首鋼園に建設中のデジタル博物館
2つ目は、首鋼園内に新たに建設されるデジタル博物館です。エリア内にデジタル技術を活用した常設拠点を設けることで、中国と世界の文化遺産を紹介するハブとなることが期待されています。
3. イタリアで開かれる「China Pavilion」展
3つ目は、イタリアで開催される「China Pavilion」と題した展示です。中国側で制作されたデジタルコンテンツを、イタリアの観客が体験できるかたちで紹介し、離れた場所にある文化遺産への理解を深める狙いがあります。
4. グローバル構想「World Heritage 100」
4つ目は、グローバルなイニシアチブとして紹介されている「World Heritage 100」です。詳細はまだ多く語られていませんが、その名称からは、世界各地の代表的な文化遺産を選び、デジタル技術でつなぎ直す長期プロジェクトであることがうかがえます。
なぜ中国とイタリアが組むのか
中国とイタリアは、ともに長い歴史と豊富な文化遺産を持つ国です。今回の取り組みは、以下のような点で意味を持ちます。
- 双方の文化遺産を「デジタル」という共通言語で見せ合うことで、距離や言語の壁を越えやすくする。
- 観光や教育の分野で、新しい体験型コンテンツを共同で開発できる。
- 文化遺産のデジタル保存やアーカイブのノウハウを共有し、将来世代への継承を強化する。
デジタル文化遺産がもたらすもの
今回の中伊協力は、単なる展覧会づくりにとどまりません。デジタル文化遺産の取り組みは、次のような変化を社会にもたらす可能性があります。
- 現地に行けない人でも、オンラインや仮想空間を通じて文化遺産に触れられる。
- 失われた建築や景観を、記録にもとづいて再現し、学びの素材として活用できる。
- ゲームやインタラクティブアートなど、クリエイティブ産業との連携が生まれる。
2025年の視点から見える今後の展望
2025年現在、世界各地で文化遺産のデジタル化が進むなか、中国とイタリアが共同で進める首鋼園発のプロジェクトは、その象徴的な一例と言えます。円明園の夜間ツアーからイタリアの「China Pavilion」、そして「World Heritage 100」へと広がる構想は、アジアとヨーロッパをまたぐ文化ネットワークの基盤づくりでもあります。
スマートフォン一つで世界の宮殿やパビリオンを旅できる時代に、どのような物語を、どのような視点で伝えていくのか。この中伊協力は、その問いに対する一つの実験として、これからの展開が注目されます。
Reference(s):
Palaces and pavilions: China and Italy expand digital heritage ties
cgtn.com








