中国とタイをつなぐ味 昆明で開かれた友情ロングテーブル晩餐会 video poster
中国南西部の都市・昆明で、タイ料理を通じて中国とタイの友情を伝えようとする一人の女性がいます。チェンマイ出身のナナパット(Nannaphat)さんです。外交関係樹立50周年の節目が近づくなか、彼女は仲間たちとともに「友情ロングテーブル晩餐会」を開きました。
レモングラス一袋から始まった物語
26年前、ナナパットさんがタイ北部のチェンマイから昆明にやって来たとき、彼女が手にしていたのは一袋のレモングラスでした。当時、雲南省の省都である昆明ではタイ料理はまだ珍しく、レモングラスや香草などの食材も簡単には手に入りませんでした。
それでも、故郷の味をあきらめることはできませんでした。慣れない土地で生活を始めたナナパットさんは、自分で食材を探し、少しずつ周囲の人たちにタイ料理を振る舞いながら、昆明に「タイの味」を根付かせていきます。
いまや6店舗、第二の故郷で広がるタイ料理
年月が経つにつれ、昆明の市場にはレモングラスや香菜、ライムなど、タイ料理に欠かせない食材が並ぶようになりました。スパイシーで酸味のきいたタイ料理は、地元の人びとの間で人気を集め、いまでは多くの市民が日常的に楽しむ味となっています。
その流れの中で、ナナパットさんは現在、昆明で6店舗のタイ料理レストランを経営しています。昆明を「第二の故郷」と呼ぶ彼女の店は、タイから来た人だけでなく、中国各地からの旅行客や若い地元の利用客にも親しまれています。
外交50年を「食」で祝う友情ロングテーブル晩餐会
中国とタイの外交関係樹立50周年が近づくいま、ナナパットさんは自分なりの方法でこの節目を祝いたいと考えました。その答えが、仲間や友人を招いた「友情ロングテーブル晩餐会」です。
長いテーブルを囲み、スパイシーで香り豊かなタイ料理と、昆明の人びとの笑顔が並びました。料理を分け合いながら、それぞれが中国とタイでの思い出や、言葉や文化の違いを越えた交流のエピソードを語り合います。
国家同士の友好関係は、首脳同士の会談や経済協力だけでなく、こうした日常の交流にも支えられています。一皿の料理をきっかけに、初対面の人どうしが打ち解け、次の訪問先がタイや中国の都市へとつながっていく――晩餐会のテーブルは、そんな小さな「外交」の場にもなっていました。
市民レベルのつながりがつくる未来
中国南西部とタイ北部は地理的にも比較的近く、文化や食材にも共通点があります。昆明でタイ料理が受け入れられてきた背景には、気候や味覚が似ていることに加え、「新しいものを試してみたい」という都市の若い世代の好奇心もあるといえるでしょう。
ナナパットさんの歩みは、一人の移住者の成功物語であると同時に、市民レベルの交流がどのように国と国との関係を支えていくのかを示す具体的な例でもあります。外交関係樹立50周年という節目を前に、こうした小さな実践が積み重なって、中国とタイの信頼関係はより深まっていきます。
ニュースの見出しになるのは、首脳会談や経済協力の大きな合意かもしれません。しかし、その土台には、昆明の街角でタイ料理を味わう人びとの日常や、レモングラス一袋を手に新しい土地へ踏み出した一人の決断があります。ナナパットさんの「友情ロングテーブル晩餐会」は、そんな足もとからの国際交流を静かに照らしていました。
Reference(s):
cgtn.com








