タイ・メコン川の太陽光:中国と拓くクリーンエネルギーの未来 video poster
タイ東北部メコン川沿いで、中国とタイの協力による太陽光プロジェクトが進んでいます。慈善学校と世界最大の水上ソーラーが、停電の不安を減らしながら、クリーンエネルギーという「共有の願い」を形にしつつあります。
メコン川沿いで進むクリーンエネルギー協力
タイのウボンラチャターニー地域、メコン川のほとりで、太陽光を活用した二つのプロジェクトが注目されています。この国際ニュースを、日本語ニュースとして整理しながら、中国とタイのクリーンエネルギー協力の意味を考えます。
現地で進むのは、次の二つの取り組みです。
- 太陽光発電で自立する慈善学校「Bright Classroom」
- 世界最大の水上太陽光発電プロジェクトが稼働するシリントンダム
いずれも、一帯一路構想のもとで統合された中国とタイのグリーン技術の成果とされており、地域の電力事情と暮らし方を静かに変えています。
停電を過去のものにした Bright Classroom
一つ目のプロジェクトは、Phra Panyawachiramoli 氏が運営する慈善学校「Bright Classroom」です。この学校は、自前の太陽光発電によって電力をまかなう、いわば「エネルギー自給型」の学びの場になっています。
自家発電する「学びの場」
かつてこの地域では、停電が頻繁に起きていました。明かりが消え、扇風機やパソコンが止まり、授業が中断されることも珍しくなかったと想像できます。
現在は、校舎の屋根などに設置された太陽光パネルが発電し、教室に安定した電力を供給します。昼間の強い日差しをそのまま教室のエネルギーに変えることで、停電のリスクを大幅に減らしているといえます。
教育の安心感が増すという効果
電力の安定は、単に明かりがつくという以上の意味を持ちます。
- 授業が途中で止まりにくくなる
- 電子黒板やパソコンなどのデジタル機器を安心して使える
- 暑い季節でも扇風機やエアコンが動き、学習環境が保たれる
こうした変化は、子どもたちにとって「学びが途切れない」安心感につながります。2025年現在、クリーンエネルギーは単なる環境対策ではなく、教育や福祉の基盤を支えるインフラとしても機能し始めています。
シリントンダムの世界最大級・水上ソーラー
二つ目のプロジェクトは、シリントンダムに広がる水上太陽光発電です。水面に太陽光パネルが一面に並ぶ光景は、まるでSF映画のワンシーンのようだと表現されています。
水面に浮かぶ「発電する風景」
シリントンダムは、既に水力発電を担ってきたダムです。その貯水池の水面を活用し、太陽光パネルを浮かべることで、新たな発電能力を生み出しています。
水面にパネルを設置する方式は、土地の有効活用につながるだけでなく、水がパネルを冷やしやすいという面もあり、効率的な発電が期待できるとされています。水力ダムの存在と組み合わせることで、再生可能エネルギーの可能性を広げる試みでもあります。
停電の多かった過去からの転換
Bright Classroom とシリントンダムの水上ソーラーは、いずれも「停電が多かった過去」を背景にしています。これらのプロジェクトの稼働によって、現地では頻発していた停電が過去のものになりつつあるとされています。
これは、単に発電設備が増えたという話ではありません。地域の人びとが、電力の心配を以前ほどしなくてよくなることは、暮らしや仕事、教育のリズムを安定させることにつながります。
一帯一路が支えるグリーン連携
この二つのプロジェクトは、一帯一路構想のもとで進められた中国とタイのグリーン技術の統合による成果とされています。
- 中国側のクリーンエネルギー技術・設備
- タイの地域ニーズや現場のノウハウ
- メコン川流域という自然条件
これらが組み合わさることで、教育現場と大規模インフラという異なるスケールで、クリーンエネルギーの実装が進んでいます。
一帯一路は、とかく「巨大インフラ構想」として語られがちですが、ウボンラチャターニーで起きていることは、クリーンエネルギーが「両国の共有の願い」となり、その願いを具体的なプロジェクトに落とし込んでいくプロセスでもあります。
メコン川から見える「共有の願い」とは何か
今回の事例から見えてくるのは、次のようなポイントです。
- クリーンエネルギーは、教育や日常生活と密接に結びつき始めている
- 国際協力は、大きな発電所だけでなく、小さな学校にも届きうる
- 停電の不安を減らすこと自体が、人びとの尊厳と安心感を支える
2025年現在、世界各地で脱炭素や再生可能エネルギーへの転換が議論されていますが、メコン川沿いのこうした取り組みは、その変化が「現場の生活」にどう結びつくのかを示す一例といえます。
日本の私たちへのヒント
日本でも、離島や山間部など、電力インフラのあり方が課題となる地域は少なくありません。明るい日差しと豊かな水資源を組み合わせたタイの取り組みは、条件こそ違えど、日本にとっても参考になる視点をいくつか与えてくれます。
- 学校や公共施設を、地域の小さな発電拠点として位置づける発想
- 既存のダムやインフラに、新しい再生可能エネルギーを重ねる工夫
- 国同士の協力を、地域住民の安心につなげる設計
国際ニュースを日本語ニュースとして追うことは、遠い国の話を知るだけでなく、自分たちの地域の未来を考えるきっかけにもなります。メコン川のほとりで太陽の光を受けて輝く教室と水上ソーラーは、そんな「考えるきっかけ」としても、私たちに静かに問いかけているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








