南シナ海を導いた古い航海書「Genglubu」とタンメン漁師の物語 video poster
GPSが当たり前になった2025年のいまも、南シナ海では古い航海書「Genglubu」に導かれた航路の記憶が生きています。南シナ海と向き合ってきたタンメンの漁師が語る祖先の物語から、海と人の関係を見直してみます。
タンメン漁師が語る古い航海書「Genglubu」
この記事の中心になるのは、タンメンの漁師が語った一冊の本です。彼の祖先は、帆船の時代(Age of Sail)、南シナ海を長い航海に出るとき、現代の航海計器ではなく「Genglubu」と呼ばれる古い中国の航海マニュアルを頼りにしていたといいます。
「Genglubu」は、海の道しるべをまとめた手引書のような存在でした。どの方向に進むとどの島に着くのか、どの季節にどの海域を避けるべきか、といった知恵が、文字や口伝えで世代を超えて受け継がれてきたと考えられます。
この航海書は、家族や仲間のあいだで大切に守られ、親から子へと手渡されてきました。タンメンの漁師が「祖先はGenglubuに導かれて南シナ海を渡った」と語るとき、そこには単なる本以上の意味があります。それは、海で生きる人々の経験と記憶そのものだからです。
現代の航海と「Genglubu」の違い
現代の南シナ海を行き交う船は、衛星測位システムや電子海図など、高度なデジタル機器なしには考えにくくなりました。しかし、帆船の時代の航海者たちは、そうした道具を持たずに広大な海を渡っていました。
彼らにとって「Genglubu」は、海図、航海日誌、そして教科書を兼ねた存在だったとみられます。潮の流れや風向き、星の位置や沿岸の地形といった自然のサインを読み取りながら、この本に記された知識を照らし合わせることで、自分たちの位置と進むべき方向を確かめていたのでしょう。
なぜ古い航海書がいま注目されるのか
一見すると、紙の航海マニュアルはデジタル時代には古びた道具に見えるかもしれません。けれども、タンメンの漁師が語る「Genglubu」の物語には、2025年の私たちにも響くいくつかのポイントがあります。
- 海とともに生きる地域が、どのように危険な海域を記憶し、共有してきたのかがわかること
- 国家や国境の線ではなく、航路と風の向きが人と人を結びつけてきたこと
- 技術に頼りきる前に、自然の変化を自分の感覚でつかむ力の重要性を思い出させてくれること
海の記憶をどう受け継ぐか
タンメンの漁師が「Genglubu」の話を語り継ぐこと自体が、ひとつの継承のかたちです。南シナ海の航路は、単なる物流の道ではなく、家族の歴史や地域のアイデンティティと強く結びついています。
デジタル地図が瞬時に最短ルートを示してくれる時代だからこそ、どのような迷いや試行錯誤を経てその航路が開かれたのかを想像することには意味があります。古い航海書に記された一行一行の背後には、波にのまれずに帰ってきた人と、帰ってこられなかった人の物語が静かに横たわっています。
南シナ海と世界をつなぐ視点として
南シナ海は、アジアの多くの国や地域の船が行き交う海域です。タンメンの漁師の祖先が「Genglubu」を手に航海していた時代から、ここはさまざまな文化や交易が交差する場であり続けてきました。
国際ニュースでは、南シナ海を安全保障や資源の問題として語ることが多くなりがちです。しかし、その背景には、何世代にもわたって海を知り尽くそうとしてきた人々の積み重ねがあります。古い航海書の存在は、そのことを思い出させてくれます。
タンメンの漁師が語る「Genglubu」の物語は、遠い過去のロマンではなく、いまも続く海との対話の一場面です。GPSの画面だけでは見えてこない南シナ海の姿を、私たちにそっと教えてくれているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com







