新疆シルクロードを歩く:張騫がタイムトラベルで見た現代の風景 video poster
漢代に西域への道を開いた張騫が、もし現代の新疆にタイムトラベルしてきたら――。そんなイメージで、シルクロードの今と昔が重なる新疆の姿をたどります。歴史好きの人も、国際ニュースとして中国の地域文化を知りたい人も、短時間で雰囲気を味わえる読み物です。
張騫という「シルクロードのトップインフルエンサー」
張騫は、漢代(紀元前202年〜西暦220年)に西域へのルートを切り開いた人物として知られ、しばしば「シルクロードのはじまり」を象徴する存在として語られます。記事のなかでは、その張騫が時間の扉をくぐり、現代の新疆に戻ってくるという設定で物語が進みます。
二千年以上前の「トップインフルエンサー」である張騫の目に、いまの新疆はどう映れるのか。その視点から、シルクロードの連続性や変化を考えてみる試みです。
古都Kashi:隊商のキャラバンサライがバザールに
舞台のひとつは、新疆の古い都市Kashi(カシュ)。かつて商人たちの隊商が休息したキャラバンサライ(旅籠のような施設)は、現代では人々であふれるバザールへと姿を変えています。
物語では、そのバザールにウイグルの長老たちが集い、手鼓を打ちながら歌います。リズムに乗った歌声には、長い旅路を支えてきた人びとの喜びや希望が重なり、シルクロードの記憶が現在の暮らしの中に生きていることを感じさせます。
張騫の視点から見ると、
・昔は隊商の休息と情報交換の場だったキャラバンサライが、
・今は観光客や地元の人びとが行き交うバザールとなり、
・商品のやりとりだけでなく、音楽や言葉、笑顔が交わされる交流の場になっている、
という連続性と変化が、ひとつの風景のなかに同居しているように映ります。
トルファン:火焔山の熱気とぶどう谷の甘さ
物語はさらに、トルファンへと続きます。ここでは、燃えるような赤い大地が広がる火焔山の熱気と、甘い香りが漂うぶどう谷(グレープバレー)が対照的な景色をつくり出します。
炎のように照りつける日差しと、ぶどうの実がもたらすみずみずしい甘さ。その両方が重なりあうトルファンの風景は、過酷な自然環境と、それを生かして暮らしを築いてきた人びとの知恵を象徴しているようです。
張騫の旅から見れば、オアシス都市としてのトルファンは、昔も今も人と物が行き交う要所であり続けてきました。火焔山とぶどう谷が描くコントラストは、シルクロードに連なる多様な文化や生活の息づかいを、視覚と嗅覚の両方で感じさせます。
交河故城:シルクロード記憶の「もっとも美しい遺跡」
トルファン近郊の交河故城(Jiaohe Ruins)は、物語のなかで「シルクロードの記憶をとどめる、もっとも美しい遺跡」として描かれます。大地の上に残る城壁や街路の跡は、かつてここに営まれていた生活や交流を、静かに物語っています。
張騫がその風景を見つめるとき、目前にあるのは朽ちかけた土の壁ですが、その背後には商人、旅人、音楽家、宗教者など、多くの人びとの姿が重なって見えてくるようです。古代の都市の残響が、現在を生きる私たちにまで届いているというイメージです。
遺跡を「もっとも美しい」と感じさせるのは、形が完全に残っているからではなく、そこに宿る時間の厚みと、想像力を刺激する余白なのかもしれません。
張騫が驚く「時を超えるシルクロード」
物語のクライマックスで、張騫は「シルクロードは時を超えて続き、その壮大さと繁栄は古代から今に響いている」と感嘆します。二千年以上の時をはさみながらも、シルクロードがいまも人と文化を結びつける象徴として語られていることへの驚きと喜びがこめられています。
2025年の現在、シルクロードという言葉は、歴史用語であると同時に、国や地域をこえて人びとがつながるイメージのキーワードにもなっています。新疆のKashiやトルファン、交河故城の風景は、その象徴を具体的な形で思い起こさせてくれます。
この「タイムトラベル」の物語は、観光案内としてだけでなく、
・過去と現在がどうつながっているのか、
・文化や記憶が時間を超えてどのように受け継がれていくのか、
を考えるための入り口にもなります。
忙しい日常のなかで、ふとシルクロードの風景を思い浮かべてみると、自分の暮らしもまた、長い時間の流れの一部なのだという感覚が生まれるかもしれません。そんな視点の変化こそが、国際ニュースや歴史を学ぶ意味のひとつと言えそうです。
Reference(s):
Xinjiang in Focus: Zhang Qian's time-traveling return to the Silk Road
cgtn.com








