音楽と本が交差する街 新疆イーニン・流星街の文化空間 video poster
世界のローカルな動きを伝える国際ニュースとして、中国の新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州イーニン市の繁華街・流星街(Liuxing Street)で起きている静かな変化を見てみます。北京で長く活動してきた音楽家シャフカットさんが、2022年に本・食・音楽を一つにした文化空間を立ち上げ、若いアーティストが集まる場づくりに挑んでいるからです。
北京から故郷イーニンへ戻った音楽家
シャフカットさんは、長年北京で暮らし、音楽活動を続けてきました。その後、故郷であるイーニン市に戻り、これまで培った経験を生かして、地元の若い世代とともに新しい文化の拠点をつくりたいと考えるようになりました。
拠点に選んだのは、イーニン市の中でもにぎわいのある流星街です。人通りの多いこのエリアで、日常の買い物や食事の延長線上に文化をさりげなく置きたいという思いがあったと考えられます。
本・食・音楽が一体となった文化空間
2022年、シャフカットさんは流星街に、書店、レストラン、バー、ライブステージが一体となったユニークな空間を立ち上げました。一つの場所で本を読み、食事や飲み物を楽しみ、音楽ライブを体験できる構成です。
この文化空間は、次のような複数の顔をあわせ持っています。
- 静かに本と向き合える書店のスペース
- 友人や家族と食事を楽しめるレストラン
- 仕事帰りにも立ち寄りやすいバー
- 生演奏やパフォーマンスのためのライブステージ
バラバラになりがちな機能を一カ所に集めることで、ふらりと立ち寄った人が、本や音楽に自然と出会えるような設計になっていると言えます。
若いアーティストが出会い、刺激し合うコミュニティ
とはいえ、この空間の目的は、複合型の店舗を運営することだけではありません。シャフカットさんがめざしているのは、若いアーティストたちが集まり、お互いに刺激を与え合いながら創作や企画に取り組めるコミュニティです。
音楽や文学など、異なる表現分野に関わる若い人たちが同じ場所を利用することで、新しいコラボレーションが生まれる可能性があります。ライブステージはその象徴的な場として、演奏する人も聴く人も、共通の時間と空気を分かち合うことができます。
シャフカットさんは、このプラットフォームを通じて、イーニン市により多くのエネルギーと文化的な厚みをもたらしたいと考えています。アートを愛する人や文化に関心のある人にとって、ここが息の長い居場所となることを目指しているのです。
地方都市のカルチャーに生まれる「余白」
地方都市では、仕事や勉強、買い物に使う場所は多くあっても、ゆっくり文化に浸れる場所は限られていることがあります。流星街に生まれたこの文化空間は、そうした日常と文化のあいだに「余白」をつくろうとする試みとも受け取れます。
誰かの演奏を聴きながら本を手に取る。気になる物語を読みながら、友人と静かに語り合う。そんなささやかな時間の積み重ねは、街の雰囲気や人と人とのつながりを少しずつ変えていくかもしれません。
あなたの街にも生まれうる場
シャフカットさんの取り組みは、遠く離れた新疆イーニン市の話でありながら、私たち自身の暮らす街について考えるヒントにもなります。
もし自分の街に、本・食・音楽が交わる場所があったら、どんな出会いや会話が生まれるでしょうか。文化は、特別な施設だけでなく、こうした小さな空間からも育っていきます。
音楽と文学が街角を彩る流星街の試みは、これからの都市とコミュニティのあり方を静かに問いかけているように見えます。
Reference(s):
Hitting the right note: Music and literature enliven Star Street
cgtn.com








