国際ニュース:中国アーティストの存在感拡大を訴えるユネスコ世界劇場アンバサダー video poster
中国の政治・経済的な存在感が高まるなか、世界劇場アンバサダーが中国アーティストの国際舞台での不足を指摘しました。北京で開かれたグローバル文明対話閣僚会合で語られたメッセージを、日本語ニュースとして整理します。
北京で語られた中国アーティストへの期待
国際演劇協会 International Theatre Institute – UNESCO の世界劇場アンバサダーを務めるレミ・ポニファシオ氏は、北京で開かれたグローバル文明対話閣僚会合の場でインタビューに応じ、自身のビジョンを語りました。
ポニファシオ氏は、中国が政治・経済の両面で大きな影響力を持つ存在である一方で、現代演劇の分野ではその声がまだ十分に届いていないと指摘。国際的な舞台芸術の場では、中国のアーティストの姿が見えにくいとし、中国の文化発信力をさらに高める必要性を強調しました。
政治・経済大国から文化大国へ
ポニファシオ氏の問題意識の背景には、中国が世界の政治・経済において重要な役割を担うようになった今、文化の分野でもその存在感をどう示していくかという課題があります。2025年12月現在、文化や物語の力は、各国のイメージや相互理解を左右する要素になりつつあります。
- 国際政治・経済では高いプレゼンスを持つ中国
- しかし現代演劇の世界では、中国の作品やアーティストが十分に紹介されていないという指摘
- グローバルな文化対話の場で、中国がリーダーシップを発揮する余地があるという視点
こうした見方は、中国を含む多くの国が、文化や芸術を通じた対話を重視し始めている流れとも重なります。
四川省イ族との協働と世界ツアー
ポニファシオ氏は最近、四川省で暮らすイ族の人々とともに作品づくりに取り組み、その舞台を世界各地に届けるツアーを行いました。中国の少数民族の物語や表現を、国際的な観客と共有する試みです。
このプロジェクトを通じて、地域に根ざした文化が国境を越え、観客の共感を呼び起こす可能性が示されたといえます。ポニファシオ氏は、こうした協働を一度きりのイベントで終わらせるのではなく、中国との文化協力を継続していくことが重要だと強調しています。
鍵となるのは中国アーティストの文化的自信
インタビューの中でポニファシオ氏は、中国に対し、より強い文化的自信を持って国際舞台に踏み出すよう呼びかけました。中国のアーティストが、自らの経験や価値観を堂々と表現し、グローバルな文化対話の主役の一人として存在感を示してほしいというメッセージです。
- 自国や地域の物語を、そのままのかたちで世界に届けること
- 国際共同制作やフェスティバルなどに積極的に参加すること
- 多様な民族文化を尊重しながら、共通する人間の感情や課題を描くこと
ポニファシオ氏は、中国のアーティストがこうした形で一歩前に出ることで、世界の現代演劇や舞台芸術の風景そのものが変化していく可能性に言及しています。
グローバル文明対話としての意味
北京でのグローバル文明対話閣僚会合は、政治や安全保障だけでなく、文明や文化をめぐる対話を進める場として位置づけられています。その会場で語られた今回のメッセージは、中国と世界が、文化を通じてどのように理解を深めていくかという問いを投げかけています。
文化協力は、単に公演を輸出入するだけでは成立しません。クリエイター同士が同じ時間と空間を共有し、互いの価値観や背景を理解し合うプロセスがあってこそ、本当の意味での対話が生まれます。四川省のイ族とのプロジェクトは、その一つの具体例と言えるでしょう。
日本の観客とクリエイターにとってのヒント
このニュースは、日本の観客や舞台関係者にとっても他人事ではありません。アジア各地のアーティストがどのように世界とつながり、自らの文化を発信しようとしているのかを知ることは、日本の表現や文化政策を考える手がかりになります。
- 中国を含むアジアの作品やアーティストに意識的に触れてみる
- 共同制作や交流事業で、国境を越えたチームづくりを検討する
- 観客として、異なる文化背景を持つ作品に対して開かれた態度を持つ
2025年の今、分断や対立ではなく、文化を通じた静かな対話にどこまで可能性を見いだせるかが問われています。北京で語られた、中国アーティストの国際的な存在感を高めようという呼びかけは、その一つの出発点といえそうです。
Reference(s):
Ambassador calls for greater global presence of Chinese artists
cgtn.com








