米高校生31人、中国へピックルボール交流の旅 スポーツで国境をこえる友情 video poster
米国メリーランド州の公立学校に通う学生アスリート31人が、ピックルボールをテーマにした中国への文化交流の旅に出ています。スポーツを通じて、国境をこえて深い友情を育てようとする試みとして注目されています。
ピックルボールがつなぐ米中の10代
今回の交流に参加しているのは、米国メリーランド州モンゴメリー郡の公立学校(Montgomery County Public Schools)の学生アスリート31人です。彼らはピックルボールを中心にしたプログラムを通じて、中国を訪れています。
この旅は、単なるスポーツ遠征ではありません。コートでラケットを交えることをきっかけに、米国と中国の若者が互いの文化、価値観、日常生活について学び合い、長く続く人間関係を築くことを目的としています。
2025年の今、国際情勢が複雑さを増すなかで、未来世代どうしが直接会い、同じルールのもとで一緒にプレーすることには、静かな重みがあります。ニュースでは見えにくい米中関係の「人と人」の側面に光を当てる取り組みだといえます。
ピックルボールってどんなスポーツ?
記事のテーマになっているピックルボールは、ここ数年で世界的に人気が高まっているニュースポーツです。テニスやバドミントン、卓球の要素を組み合わせたラケット競技で、比較的狭いコートと軽いボールを使うのが特徴です。
- ラケットはテニスラケットより小さく、卓球のラケットより大きいパドル型
- ダブルス(2対2)が多く、チームワークが重要
- ボールはプラスチック製でスピードが出すぎないため、初心者も始めやすい
- 子どもから高齢者まで幅広い世代が一緒に楽しめる
こうした特性から、ピックルボールは「競い合う」スポーツであると同時に、「話しながら一緒に楽しむ」ことに向いたスポーツでもあります。初対面どうしでも、数分プレーするうちに自然と会話が生まれやすい競技だとされています。
勝ち負けよりも、対話と共感を育てる場に
スポーツを通じた国際交流の価値は、勝敗以上のところにあります。言葉が十分に通じなくても、ルールを共有し、相手のプレーを尊重し、最後に握手やハイタッチを交わす。その積み重ねが、互いへの信頼感を少しずつ育てていきます。
一般に、この種のプログラムでは、試合や練習だけでなく、学校訪問や共同での学習活動などが組み合わされることが多いです。スポーツで打ち解けたあとに、教室や食事の場でゆっくり話すことで、「ニュースの中の相手国」ではなく、「同じような悩みや夢を持つ同世代」として相手を捉え直すきっかけになります。
今回のピックルボール交流も、米国と中国という二つの大国のあいだに、静かだが確かな「人のつながり」を増やす一歩と見ることができます。国レベルの議論とは別に、若い世代が築く友情のネットワークは、長期的な安定につながる土台になりえます。
デジタル世代だからこそ続く、その後のつながり
今回のような学生交流が2025年の今とくに意味を持つのは、参加する世代がデジタルネイティブであることとも関係しています。一度コートで知り合った友人と、その後もオンラインで連絡を取り合い、近況を共有し続けることが比較的自然にできるからです。
メッセージアプリやSNSを通じて、離れた国どうしでも日常の小さな出来事を共有できます。試合の動画を送り合ったり、受験や進路、趣味の話をしたりするなかで、「遠い国の誰か」だった相手が、「顔の見える友人」へと変わっていきます。
こうした細かなコミュニケーションの積み重ねは、ニュースのヘッドラインだけでは見えてこない、多層的な米中関係を形づくる一部になる可能性があります。
日本の読者への問いかけ:スポーツで何ができるか
今回のピックルボール交流のニュースは、日本に住む私たちにとっても他人事ではありません。スポーツや文化活動を通じて海外とつながる機会は、日本でも少しずつ増えています。
例えば、次のような視点が考えられます。
- 自分の身近なスポーツや部活動で、どのような国際交流ができるか
- オンラインを活用したバーチャル交流試合や共同トレーニングの可能性
- 語学力だけでなく、スポーツや趣味を通じた共通の話題をどう育てるか
国際ニュースを読みながら、「もし自分がこの31人の学生アスリートの一員だったら、何を感じ、何を伝えたいか」を想像してみることは、私たち自身の視野を広げる練習にもなります。
スポーツで国境をこえる友情をつくる取り組みは、まだ小さな動きかもしれません。しかし、その一つ一つが、将来の世界を少し違うかたちに変えていく種になるかもしれません。
Reference(s):
Build enduring friendships that transcend borders through sport
cgtn.com








