国連80周年ポスター「Guardianship and Symbiosis」が映す守りと共生
今年、創設80周年という節目を迎えた国連。その記念に制作されたポスター「Guardianship and Symbiosis」は、ポーランドとベラルーシの伝統的な切り絵「Wycinanki(ヴィチナンキ)」のスタイルで、平和と共生への願いをやさしく、しかし力強く描き出しています。
伝統の切り絵で祝う、国連80年の歩み
「Guardianship and Symbiosis」は、国連(UN)の創設80周年を記念してデザインされたポスターです。ポーランドとベラルーシに伝わる伝統的な切り絵「Wycinanki」の様式を取り入れ、世界的なテーマである平和と連帯を、素朴であたたかいビジュアルに落とし込んでいます。
青い世界を包む「守りの木」
背景は、澄み切った青一色。その上に白い紙のシルエットが浮かび上がります。中央に立つのは、大きくそびえる一本の木。枝葉はこんもりと広がり、一つの大きな傘のように形づくられています。
この木は、守護の精神を体現する存在として描かれています。枝葉がつくる傘は、80年にわたって平和の根を張り、人類を守ろうとしてきた国連の姿を象徴しているといえます。
ハト、花、人影が伝える「平和への参加」
枝のあいだには、翼を広げたハトたちが舞います。国境を越えて希望を運ぶハトは、平和を守るという国連の使命そのものです。
木の下には、男女のシルエットが幹を抱きしめるように立っています。これは、国連という場を通じて世界の人々が手を取り合い、より良い未来を築こうとする「地球規模の団結」を表しています。足もとに咲く繊細な花々は、そこに宿るいのちの温かさと、平和がもたらす豊かさをそっと添えています。
「UN 80」がつなぐ歴史と現在
画面には「UN 80」の文字が力強く配置されています。素朴なWycinankiの質感と組み合わさることで、民俗的なあたたかさと国際機関としての国連の歩みが自然に結びつきます。
このデザインは、創設から80年にわたる国連の歴史をたたえると同時に、いまを生きる私たちが「これからどんな共通の未来をつくるのか」という問いを静かに投げかけています。
ポスターが示す3つのメッセージ
言葉を一切使わずに、ポスターは多くのメッセージを込めています。なかでも読み取りやすいのは、次の3つです。
- 守る:大きな木と傘のような枝葉は、人類を包み込む「守り」の象徴です。
- つなぐ:幹を抱く男女の姿は、国や地域をこえて人々をつなぐ国連の役割を示します。
- 育てる:足もとの花々は、平和のもとで育まれるいのちと未来を表現しています。
アートから考える、これからの国連と私たち
「Guardianship and Symbiosis」というタイトルには、「守ること」と「共に生きること」を切り離さずに考えようというメッセージが込められているように感じられます。誰かが一方的に守るのではなく、世界の一人ひとりが守る側にもなる。そのとき初めて、本当の共生が成り立つという視点です。
80年の歩みを経た今、国連の役割や限界についての議論も続いています。それでも、このポスターが見せてくれるのは、複雑な国際情勢の向こう側にある、ごくシンプルなイメージです。一本の木の下に集い、空を舞うハトを見上げる人々。その光景は、これからの国際協調を考えるための、静かな出発点になるかもしれません。
スマートフォンの画面越しに眺める一枚のポスターから、80年続いてきた「平和を守り、人類をつなぐ」という国連の原点を、あらためて思い起こしてみるのもよさそうです。
Reference(s):
'Guardianship and Symbiosis,' a poster for 80th anniversary of the UN
cgtn.com








