新疆カラジョール発「農民市場」 旅人が切り開くライブ配信と文化継承 video poster
中国・新疆ウイグル自治区のカラジョールという小さな郷で、一人の旅行者が地元のラム肉に魅せられ、ライブ配信とEC(インターネット通販)を使って地域の未来をつくろうとしています。
香り立つ一口が人生を変えた
Zhang Dongは、もともと新疆ウイグル自治区のカラジョール郷を通り過ぎるだけの旅人でした。ところが、そこで口にしたラム肉が、彼の人生の方向を大きく変えます。
地元のラム肉は、香り高く、やわらかく、しっかりとしたうま味があるものでした。その一口に心をつかまれたZhangは、この土地にとどまり、新しい挑戦を始めることを決めます。
「Karajol Farmers Market」がつなぐ牧場と食卓
Zhangが立ち上げたのが「Karajol Farmers Market」です。ライブ配信とECを組み合わせ、カラジョールの草原で育った高品質な牧草肥育の牛肉や羊肉を、中国各地の食卓へと届けています。
ライブ配信で見える生産の現場
ライブ配信を通じて、視聴者は牧草地の風景や家畜の様子、加工の手順などをその場で見ることができます。画面の向こうに現れるのは、遠い「辺境」ではなく、顔の見える生産者と日々の暮らしです。
インターネットを使うことで、カラジョールのような地方の町と都市部の消費者との距離は、地理的な遠さに比べてぐっと縮まります。Zhangの取り組みは、その変化を象徴する一つの例といえます。
無形文化遺産のフェルトづくりを次の世代へ
Zhangは、食のビジネスだけにとどまりません。彼は、地元の無形文化遺産の継承者であるBulbul Amanと協力し、伝統的なフェルトづくりの技を広げる活動も進めています。
無形文化遺産とは、形として残る建物や遺跡ではなく、技術や芸能、祭りなど、人から人へ受け継がれてきた文化を指します。Bulbul Amanは、そのフェルトづくりの技を受け継いできた一人です。
手仕事を収入源に、文化を未来につなぐ
二人は、現地の牧畜に携わる人々にフェルトづくりを教え、手仕事を新たな収入源に変えようとしています。フェルトの敷物や小物など、羊毛から生まれる製品は、地域の文化を感じさせる身近な工芸品になります。
この取り組みは、単に「副業」を増やすだけでなく、次の世代に伝統の技をつなぐ試みでもあります。暮らしを支える経済活動と、地域に根ざした文化の継承が、同じプロジェクトの中で結びついている点が特徴です。
「幸運の土地」カラジョールが映すこれからの地方
Zhang Dongにとって、カラジョールは「本当の意味での幸運の土地」です。その「豊かさ」は、山や草原といった自然の恵みだけではなく、手を動かし、挑戦を続ける人々の姿にこそあります。
ライブ配信やECというデジタル技術は、地方の小さな町にも新しい選択肢をもたらしています。一方で、その成功を支えるのは、地元の食材と、受け継がれてきた技術、そしてそこに関わる人々の意欲です。
カラジョールの「Karajol Farmers Market」とフェルトづくりの取り組みは、インターネット時代における地方の可能性を静かに示しています。私たち一人ひとりが普段の買い物や消費行動を通じて、どのような地域や文化を支えていくのかを考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








