中国本土・安吉の森で若者が見つける癒やし シンギングボウルと静けさの時間 video poster
中国本土・浙江省安吉の静かな山あいで、シンギングボウルの音に耳を澄ます若者たちがいます。経済成長と環境がより緑豊かになった今、自然の中で心を整えるという選択をする人が増えています。
森に響く「音」で心を洗う
浙江省安吉の丘陵地帯は、屋根の上まで苔がむしり、雨粒が軒先に静かにたまり、空気そのものが「緑の匂い」に包まれていると表現されます。そんな静けさの中、ひとりのゲストが身じろぎもせずに座り、シンギングボウルと呼ばれる楽器を鳴らします。
金属のボウルから生まれる柔らかな音は、森の奥へと波のように広がっていきます。その響きが一層、周囲の雑音を遠ざけ、耳に届くのは自分の呼吸と、森のささやきだけになります。
「逃げる」のではなく、意識的に「戻る」
こうした場所を訪れる若い世代にとって、安吉の森は現実からの逃避ではありません。むしろ、自分自身や自然とのつながりに「意識的に戻る」場になっています。
日常から一歩距離を置き、深く息を吸い、ただ「ここにいる」ことを味わう。忙しさの中で後回しにしがちな、当たり前でありながら大切な感覚を取り戻す時間だと言えます。
経済成長と環境改善が生んだ「選べる余裕」
こうした新しい過ごし方が広がっている背景には、二つの流れがあります。一つは、生活の基盤を支える経済の成長です。日々の暮らしに余裕が生まれたからこそ、休日にどこで過ごすか、どう心身を整えるかを自分で選べるようになっています。
もう一つは、環境がより緑豊かになっていることです。森の静けさや澄んだ空気を感じられる場所が整備されているからこそ、都市から足をのばし、自然の中で過ごす時間を持つことができます。経済と環境の両方が支えとなり、「自然の中で癒やされる」という選択肢が現実的になっているのです。
新世代の「癒やし」観が映し出すもの
中国本土の若い世代が選ぶ癒やしのスタイルには、いくつかの特徴があります。
- 派手な消費よりも、静かな体験を重視する
- 自然の中で「何もしない」時間をあえて持つ
- シンギングボウルのようなシンプルな音で心を整える
- 一時的な気分転換ではなく、「自分を見つめ直す」機会として捉える
これらは、ただリラックスしたいという願望だけでなく、先行きが見えにくい時代にあっても、自分なりのペースと価値観を大切にしたいという思いの表れでもあります。
森が教えてくれる「立ち止まる勇気」
2025年の今、世界各地で心の健康への関心が高まる中、安吉の森から聞こえてくるシンギングボウルの響きは、一つの問いを投げかけているように見えます。
忙しさや情報の多さに流されそうになったとき、あえて立ち止まり、静けさの中で自分の呼吸を感じる時間を持てるかどうか。経済や環境が整ってきたからこそ、若い世代はその問いに自分なりの答えを探し始めています。
国際ニュースとして見ると、これは単に「癒やしブーム」と片付けられるものではありません。中国本土の若い世代が、どのように心とからだのバランスをとり、どんな未来を望んでいるのか。その一端が、安吉の静かな森の風景に映し出されているのではないでしょうか。
あなたなら、どんな場所で、どんな音に耳を澄ませてみたいと思いますか。
Reference(s):
cgtn.com








