国際ニュース:新疆の砂漠の町ダリヤブイ郷 移転がひらいた子どもたちの未来 video poster
2019年、中国・新疆のダリヤブイ郷が砂漠の奥地から移転しました。「最後の砂漠の部落」と呼ばれた小さな郷で、子どもたちの生活と教育環境が大きく変わった出来事です。
約6年がたとうとしている今、この物語は「教育やインフラへの投資が、子どもの未来をどう変えるのか」を考えるうえで示唆に富んだケースとして、改めて注目されています。
2019年、新疆の砂漠の町が動いた
ダリヤブイ郷はかつて、広大な砂漠の中にぽつんと存在する集落でした。その孤立した環境から「最後の砂漠の部落」とも呼ばれてきましたが、2019年、住民は砂漠の内側からより暮らしやすい場所へと移り、新しい町づくりが始まりました。
移転によって、人々は砂嵐と長い移動に縛られる生活から、学校や公共施設が身近にある生活へと踏み出しました。その変化をもっとも具体的に感じているのが、郷の子どもたちです。
10キロの通学路から、明るい教室へ
ダリヤブイ郷の小学校の校長を務めるAkramjan Arkinさんは、この変化を間近で見てきた一人です。移転前、子どもたちは学校へ通うために10キロ以上の砂漠を歩かなければなりませんでした。
移転後、状況は一変しました。子どもたちは新しい校舎で学び、通学の負担から解放されました。教室は日差しの差し込む明るい空間で、インターネットにも接続されています。昼には温かく栄養のある昼食が用意され、子どもたちは安心して一日を過ごせるようになりました。
- 長距離の徒歩通学が不要になった
- インターネットにつながる教室で学べるようになった
- 昼に温かい食事をとれるようになった
かつては「学校にたどり着くこと」自体が大きなハードルでしたが、いまは「教室で何を学ぶか」が子どもたちの関心の中心になりつつあります。
砂漠に響く子どもたちの声
移転後のダリヤブイ郷では、子どもたちが教科書を声に出して読む声が、広い砂漠にまで響き渡っています。かつて果てしない風と砂に囲まれていた場所に、新しい町が砂に根を下ろすようにして生まれました。
かつては「終わりのない道」を歩いていた子どもたちは、いま、教室から世界へとつながる道を歩み始めています。明るい教室、ネットワークにつながるパソコン、そして毎日の温かい昼食。それら一つひとつが、子どもたちの「自分で未来を選ぶ力」を支えています。
「移転」という選択が持つ意味
生活の場を移すことは、大人にとっても子どもにとっても大きな決断です。長く暮らした土地を離れることに迷いや不安を感じた人もいたかもしれません。それでもダリヤブイ郷の人々は、新しい町での生活を選びました。
その結果として実現したのが、子どもたちの教育環境の劇的な改善です。通学の距離が縮まること、ネット環境が整うこと、安心して学び、食べ、遊べる場があることは、どれも「当たり前」のように見えて、実は未来の選択肢を大きく広げる要素です。
日本の読者にとっての問いかけ
2019年のダリヤブイ郷の移転は、新疆という遠い地域の出来事でありながら、私たちの暮らしとも無関係ではありません。日本でも、山間部や離島など、通学や医療、インターネットへのアクセスが課題となる地域は少なくありません。
この小さな砂漠の町の物語は、次のような問いを静かに投げかけています。
- 子どもたちが安心して学べる環境をつくるために、社会はどこまで投資すべきか
- インターネットなどのデジタル環境は、地方やへき地の未来をどう変えうるのか
- 「移り住むこと」と「元の土地への思い」を、どう両立させていくのか
新疆の砂漠で始まった変化は、2025年のいまを生きる私たちに、「未来をつくる条件は何か」を改めて考えさせてくれます。通勤時間の合間にニュースを読む私たち一人ひとりが、身近な地域でできることを想像してみるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








