国連本部モザイク『The Golden Rule』が語る黄金律と共生のメッセージ
ニューヨークの国連本部に設置されたモザイク作品『The Golden Rule』は、多様な人々が肩を並べる姿を描き、国際社会がめざす共生のイメージを象徴的に示しています。
モザイク『The Golden Rule』とは
国連本部にあるこのモザイク作品は、アメリカの著名な画家ノーマン・ロックウェルの絵画をもとに制作されたものです。およそ40年前の1985年、当時の米国ファーストレディ、ナンシー・レーガン氏から国連への贈り物として寄贈されました。
作品には、国籍や文化、肌の色が異なる人々が肩を並べて立つ姿が描かれています。その表情は一様ではなく、年齢も服装もさまざまですが、互いを認め合いながら同じ方向を見つめているように見えます。
モザイクの表面には、英語で次の言葉が刻まれています。Do unto others as you would have them do unto you. 自分がしてほしいことを、相手にも行いなさいという「黄金律」と呼ばれるシンプルな倫理のメッセージです。
シンプルな一文が伝える普遍的な価値
黄金律は、宗教や文化を問わず、多くの社会で共有されてきた考え方だとされます。難しい専門用語ではなく、自分と他者を同じ目線で見ることを促す、ごく日常的な言葉です。
国連本部という場でこのメッセージが掲げられていることには、象徴的な意味があります。国家間の利害や立場の違いが交錯する場所だからこそ、互いを尊重し、相手の立場に立って考える視点が常に問われているからです。
国際ニュースの裏側で息づくアート
世界各地から集まった外交官や専門家、見学者が行き交う国連本部では、毎日のように国際ニュースとなる会議や交渉が行われています。その足元で、モザイク『The Golden Rule』は静かに人々を見守っています。
2019年に国連本部を訪れた記者が撮影した写真にも、このモザイクが収められていました。当時と比べて、世界情勢はさらに複雑になりましたが、作品に込められたメッセージ自体は色あせていません。
人間の尊厳や相互理解といったテーマは、国際政治の現場だけでなく、私たち一人ひとりの暮らしと密接に関わっています。国連の建物にあるこの一枚のモザイクは、そうした価値観を視覚的に思い出させてくれる存在だと言えるでしょう。
2025年の私たちが受け取るべき問い
2025年のいま、世界は分断や対立のニュースにあふれています。SNSでは意見の違いが瞬時に炎上につながり、国際関係でも互いの不信感が前面に出る場面が目立ちます。
そうした中で、黄金律はあまりにも当たり前すぎて、かえって見過ごされがちな原則かもしれません。しかし、この一文を行動の基準として意識するだけで、日常の風景はすこし違って見えてきます。
黄金律を日常で試すための小さなヒント
- オンラインで意見を投稿する前に、その言葉を自分が向けられてもよいか一度立ち止まって考える。
- 職場や学校で意見が対立したとき、まず相手の立場に立って状況を説明し直してみる。
- 国際ニュースを見るとき、登場する相手の側に自分や身近な人がいたとしたらどう感じるかを想像してみる。
国連本部のモザイク『The Golden Rule』は、壮大な世界平和だけでなく、私たちの日々のふるまいにもつながる「もうひとつのニュース」を静かに伝え続けています。忙しい日常の中で、ふと立ち止まってこの黄金律を思い出すことが、よりよい未来への一歩になるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








