UN@80 中国陝西の山村が観光で貧困を抜け出すまで
国際ニュースを日本語で読みたい人に向けて、中国陝西省の山村チニュワ村の物語を紹介します。黄土の洞窟住居から人気観光地へと変わったこの村の歩みは、貧困削減と地方創生を考えるうえで示唆に富んでいます。
山あいの住めない村と言われたチニュワ村
チニュワ村は、中国陝西省に位置し、Jin-Shaanグランドキャニオンの西岸に広がる山あいの集落です。かつては地形が険しく、生活に適さない住めない村と見なされてきました。
村人たちは、十数年前まで黄土の崖をくり抜いた洞窟住居で暮らしていました。冬は寒さをしのぎやすい一方で、生活基盤が限られ、日々の暮らしは厳しいものでした。
観光産業の育成がもたらした変化
転機となったのが、地元で進められた観光産業の育成です。Jin-Shaanグランドキャニオンの雄大な景観と、黄土の洞窟住居がつくり出す独特の風景に注目が集まり、チニュワ村は観光資源として整備されていきました。
その結果、かつては目立たない山村だったチニュワ村は、いまではJiaxian県を代表するランドマークの一つとして知られるようになりました。観光客が訪れることで、地元に新しい仕事や収入の機会が生まれ、村にお金と人の流れが戻りつつあります。
2021年に記録された村の姿
こうした変化の一端は、2021年9月27日と28日に陝西省のこの村で撮影された写真にも記録されています。山あいの地形や峡谷を背景に、かつての洞窟住居と新しい観光施設が並び立つ様子は、村の歩んできた時間の厚みを感じさせます。
ほんの十数年の間に、住めない村と呼ばれた場所が、人びとが訪れたい場所へと姿を変えたことは、地域の努力と発想の転換の大きさを物語っています。
チニュワ村の経験から見える3つのポイント
チニュワ村の事例から、地方の小さな村が変わるためのヒントを整理すると、次のようになります。
- Jin-Shaanグランドキャニオンや黄土の洞窟住居など、足元の資源に光を当てたこと
- 観光産業という新しい柱を育て、収入源を増やしたこと
- 村全体でランドマークとしての魅力を高めてきたこと
どれも、地域に元々あった自然や暮らしの姿を見直し、その価値を生かそうとする姿勢から生まれた変化だと言えます。
国連80年の節目に考える、地方の未来
国連創設80年となる2025年のいま、貧困削減や格差の是正は、依然として国際社会の大きな課題です。中国の山村チニュワ村の歩みは、厳しい環境にある地域でも、工夫と粘り強い取り組みによって新しい可能性を切り開けることを示しています。
世界やアジアの動きを日本語ニュースで追いながら、一つひとつの地域のストーリーに耳を傾けることは、遠く離れた私たち自身の暮らし方を見つめ直すきっかけにもなります。チニュワ村の変化から、あなたならどんな問いを思い浮かべるでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








