アブダビで中国とUAEが「Echoes of Peace」 平和テーマの文化イベント
中国メディアグループ(CMG)とアラブ首長国連邦(UAE)にある中国大使館が共催した文化交流イベント「Echoes of Peace」が、アブダビで開かれました。戦争の記憶を振り返りながら、平和や国際協力、多国間主義の重要性を発信する場となりました。
アブダビで開かれた平和のための文化交流
現地時間の木曜日にアブダビで開催された「Echoes of Peace」には、中東地域のメディア関係者やシンクタンク、大学などの関係者も参加し、中国とUAEの文化・メディア交流を深める機会となりました。
イベントは、中国メディアグループ(China Media Group, CMG)と在アラブ首長国連邦中国大使館が主催し、中国とUAEが平和と発展へのメッセージを共同で発信する形となりました。
歴史の教訓から平和を考える 今年は戦勝80周年
CMGの慎海雄社長は、ビデオメッセージであいさつしました。慎氏は、今年2025年が中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年の節目にあたることを指摘し、歴史を振り返る意義を強調しました。
慎氏は「歴史は最良の教科書だ」と述べ、「歴史を心に刻むことでこそ、平和を守り、公平と正義を擁護し、より良い未来を切り開くことができる」と語りました。
そのうえでCMGとして、知的な深み、芸術的な表現、技術革新を組み合わせた新しい伝え方を通じて、ニュース報道や情報交換、資源共有のためのメディア・プラットフォームづくりを国際のパートナーとともに進めていく考えを示しました。
国連中心の国際秩序と多国間主義を擁護
在UAE中国大使の張益明氏もイベントに出席し、演説しました。張氏は、戦争勝利を記念するのは、国際連合を中心とする国際システムと、国際法に支えられた国際秩序をよりよく守るためだと述べました。
一部の国が一方的な圧力や「いじめ」のような手法に頼り、国際ルールを都合よく選択的に適用しようとする動きに対し、張氏は、各国が国連の権威と地位をしっかりと守り、より公正で公平な方向へ世界のガバナンス(統治)を進めていくべきだと呼びかけました。
さらに張氏は、今年が上海協力機構(SCO)における「中国の年」にあたることにも言及し、中国はUAEを含むSCOのパートナーとともに、具体的な行動を通じて多国間主義を実践し、グローバル・ガバナンスの改善や国際秩序の維持、人類のより良い未来を共に築く用意があると述べました。
中東の専門家「中国とUAEは平和のビルダー」
イベントには、中東地域のシンクタンクからも参加がありました。ドバイに拠点を置く戦略研究機関ストラテジア研究センターのモハメド・フィラス・アルナエブ所長は、中国とUAEは第二次世界大戦終結以来、世界平和の「ビルダー」であり、国際秩序の擁護者だと評価しました。
アルナエブ氏は、中国とUAEが長年にわたり、世界の平和、安定、共通の発展を推進してきた「貢献者」だとしたうえで、両国が今後も国際社会において重要な役割を果たし続けるとの見方を示しました。
映画とドキュメンタリーで伝える平和のメッセージ
「Echoes of Peace」では、CMGや中国国際テレビ(CGTN)が制作した作品を含め、複数の中国映画やドキュメンタリーが上映されました。上映作品を通じて、戦争と平和の記憶、そして平和を守る責任を共有することの大切さが、視覚的かつ感情に訴える形で表現されました。
映像作品は、歴史の教訓とともに、今を生きる人びとがどのように平和を守り、次世代に引き継いでいくかを考えさせる内容となっており、観客に強い印象を残したとされています。
なぜ今、このイベントに注目するのか
2025年という戦後80年の節目に、アジアと中東を結ぶかたちで開かれた「Echoes of Peace」は、単なる文化イベントにとどまりません。国際ニュースとして見ると、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 戦争の記憶と平和教育を、映画やドキュメンタリーなど文化コンテンツとして発信していること
- 国連と国際法を重視し、多国間主義を擁護するメッセージを明確に打ち出していること
- 中国とUAEを含む、アジアと中東の協力関係が文化・メディアの分野でも広がっていること
世界各地で対立や不安定要因が高まるなか、歴史を振り返りつつ平和の価値を改めて確認しようとする動きは、国や地域を越えて広がっています。文化やメディアを通じた対話が、どこまで相互理解を深め、より公平で持続可能な国際秩序づくりにつながるのか。今後の中国とUAE、中東地域との連携の行方を見ていくことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








