中国映画のいまを語る 李力持監督が示したエンタメの力 video poster
2025年に開催された第20回長春映画祭で、映画監督の李力持(Lee Lik Chee)さんが、中国映画の発展とエンターテインメントの役割について語りました。過去にスティーブン・チョウ(Stephen Chow)さんやン・マンタ(Ng Man-tat)さんと作品を共にしてきた経験を振り返りながら、現代の観客に届く映画作りについての考えも示しています。
第20回長春映画祭で語られた中国映画の現在
長春映画祭は、中国映画の動向を映し出す場として知られています。第20回となる今回、李力持監督は、自身のキャリアを振り返りつつ、中国映画がどのように変化してきたかを語りました。
李監督が強調したのは、映画がどれほど技術的に進歩しても、観客が求めるのはまず「楽しさ」であるという点です。映像表現やストリーミング配信など環境が変わっても、エンターテインメントとしての核を見失わないことが、2025年の中国映画にとって重要だというメッセージがにじみます。
スティーブン・チョウとン・マンタとの協働から見えたもの
李力持監督は、スティーブン・チョウさんやン・マンタさんとの過去のコラボレーションを振り返りました。二人は、中国語圏の映画界で長く愛されてきたスターであり、彼らと共に作品を作ることは、笑いと感情をどう両立させるかを学ぶ場でもあったといいます。
コメディ表現は一見軽く見えがちですが、観客にとっては日常のストレスから解放され、同時に心に残るメッセージを受け取る入り口にもなります。李監督は、このバランス感覚こそが、中国映画の魅力を支えてきたと示唆しています。
李力持監督が語る エンタメの本質
李監督の発言の中心にあったのは、映画におけるエンターテインメントの位置づけです。社会問題や歴史、個人の葛藤など、映画が扱うテーマは重くなりがちですが、それをそのまま観客に投げかけても、必ずしも届くとは限りません。
だからこそ、見ていて「おもしろい」「引き込まれる」作品であることが、メッセージを伝える前提条件になると李監督は見ています。笑いやアクション、テンポの良い展開といった要素は、単なる装飾ではなく、観客と物語をつなぐ橋のようなものだといえます。
現代の観客に届く作品作りへのヒント
李力持監督は、現代の映画監督やクリエイターが、どのように作品を作れば観客の心に響くのかについても言及しました。そのポイントは、大きく次のように整理できます。
- 観客の生活感覚を知ること
スマートフォンで動画を見ることが当たり前になった今、観客がどのようなテンポや長さ、雰囲気の映像に慣れているのかを理解することが重要だとされています。 - 物語の核をシンプルに保つこと
設定や世界観が複雑になっても、観客が共感できる感情のラインは分かりやすく保つべきだという考え方です。笑いであれ涙であれ、何に心を動かしてほしいのかを明確にすることが求められます。 - チームとして作品を作る姿勢
俳優や脚本家、スタッフとのコラボレーションによって、作品の魅力は大きく変わります。李監督がスター俳優と築いてきた信頼関係は、良いチームワークが作品の完成度を押し上げることを示しています。
2025年の中国映画と国際観客
2025年現在、中国映画は国内だけでなく、アジアや世界の観客からも注目されています。その中で李力持監督が改めて「エンタメの力」を語ったことは、中国映画がこれからも観客との距離をどう縮めていくのかという問いにもつながります。
派手な映像技術や巨大な制作費だけではなく、観客が笑い、驚き、ときに考えさせられる作品こそが、長く記憶に残る映画になる。そうした古くて新しい原則を、李監督の言葉は思い出させてくれます。
日本の観客への示唆
日本の映画ファンにとっても、李力持監督の視点は示唆に富んでいます。中国映画を「異なる国の作品」として距離を置くのではなく、同じように笑い、同じように涙する観客がいるエンターテインメントとして見ることで、新しい発見が生まれます。
ストリーミングや配信プラットフォームを通じて、中国映画に触れる機会はこれまで以上に増えています。第20回長春映画祭での李監督の発言は、その波の中で、どのような作品が世界の観客の心をつかんでいくのかを考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








