陳凱歌が語る現実と幻のあいだの映画 成都ゴールデン・パンダ・アワード video poster
映画監督・陳凱歌(チェン・カイコー)監督が、2025年のゴールデン・パンダ・アワードが開かれている成都で行われたCGTNのインタビューで、映画の本質として「現実」と「幻」のあいだにある力について語りました。本記事では、その発言内容と背景を手がかりに、映画がどのように「現実」と「想像」を行き来するのかを考えます。
成都のゴールデン・パンダ・アワードで語られた映画の魔法
陳凱歌監督は、ゴールデン・パンダ・アワードで審査委員長(jury president)を務めています。会場の成都で、CGTNの張萌(Zhang Meng)氏のインタビューに応じた陳監督は、映画について次のように語りました。
「映画の魔法は、現実と幻のあいだにある」と語る陳監督。この短い一言の中に、長年映画づくりに向き合ってきた創作者の視点が凝縮されています。
パルム・ドール受賞作から見える現実と想像
陳凱歌監督は、パルム・ドールを受賞した名作『Farewell My Concubine』を生み出したことで広く知られています。インタビューでは、こうした代表作にも通じる、映画がいかにして「真実」と「想像」の境界をあいまいにし、観客に深い余韻を残すのかという哲学的な視点が語られました。
今回伝えられたポイントは、次のように整理できます。
- 映画は、現実をそのまま映すだけでなく、想像力によって再構成する表現である
- 「真実」と「フィクション」の境界線をあえてあいまいにすることで、観客は自分自身の現実を問い直すことができる
- 現実をそのまま記録するのではなく、芸術として変換するプロセスこそが映画の独自性である
- この二重性(デュアリティ)が、陳監督の創作アプローチを形づくっている
現実と幻のあいだで、映画は何を映すのか
陳監督の言う「現実と幻のあいだ」は、単なる幻想世界のことではありません。現実に起きている出来事や感情を出発点にしながら、それをそのままではなく、物語や映像表現を通じて別のかたちに変えていくプロセスを指していると考えられます。
デジタル技術や映像表現が進化するいま、映画は記録性と虚構性の両方を強く求められています。陳監督の発言は、そのバランスをどう取るのかという、現代の映画人共通の問いにもつながるテーマと言えます。
CGTNフルインタビューへの期待と、私たちへの問い
今回のインタビューは、CGTNによる取材の一部として紹介されており、フルバージョンは今後CGTNで公開される予定とされています。どのような作品づくりの裏側や、映画観がさらに語られるのか、注目が集まりそうです。
国際ニュースとしての映画インタビューは、単に一人の監督の言葉を追うだけでなく、私たち自身が「現実とは何か」「どこまでが想像なのか」を考え直すきっかけにもなります。スクリーンの中の物語を見終えたあと、自分の毎日が少し違って見えてくるとしたら、それこそが陳監督の言う「映画の魔法」なのかもしれません。
Reference(s):
Interview with Chen Kaige: Exploring cinema's reality and illusion
cgtn.com








