国際ニュース:マル・ヤングが語る「国境を越える物語」の力 video poster
イギリスのプロデューサー兼脚本家マル・ヤング氏が、中国の英語国際メディア CGTN のインタビューで、ドラマづくりにおける物語とキャラクター、そして視聴者との関係について語りました。グローバルヒット作「Doctor Who」などの経験を踏まえ、国境を越えて届く物語とは何かをあらためて考えさせる内容です。
マル・ヤングが語る「国境を越える物語」とは
マル・ヤング氏は、長年テレビドラマのプロデューサー・脚本家として活躍してきた人物です。インタビューで彼は、海外作品を評価するときに大切にしているポイントとして、次のようなバランスを挙げました。
- 物語の流れ(ストーリー)の強さ
- キャラクターの魅力と深み
- 視聴者を引きつけ続ける構成
そのうえで、作品が国境を越えて届くかどうかは、単に「世界向け」に作られているかではなく、その物語がどれだけ制作者自身の背景に根ざしているかが重要だと指摘しました。
ローカルに根ざしてこそ、世界に響く
ヤング氏が強調したのは、「最も力を持つ物語は、自分自身の背景に根ざした物語だ」という考え方です。いわゆる「ローカル」な経験や価値観を丁寧に描いた作品こそが、結果的に世界中の視聴者の心をつかむといいます。
一見すると、グローバルな成功を目指すなら、誰にでも当てはまりそうな普遍的なテーマだけを選びたくなります。しかし、ヤング氏の視点はその逆です。
- 自分がよく知っている場所や文化、日常を描く
- 自分ならではの感情や記憶をキャラクターに反映する
- 無理に「海外受け」を狙わず、誠実に物語を組み立てる
こうした姿勢が、結果として海外の視聴者にとっても新鮮でリアルに感じられ、「他にはない物語」として受け止められる、というメッセージが伝わってきます。
「自分の世界」を共有し、視聴者を旅へ招く
ヤング氏によると、ストーリーテリングの魔法は、「自分の世界を他者と分かち合い、世界中の視聴者をその旅に招き入れること」にあります。制作者が見ている景色や感じている違和感、喜びや痛みを、物語を通じて視聴者に見せる。そのプロセス自体が、国境を越えるコミュニケーションになっていく、という発想です。
視聴者は、作品を通じて次のような体験をします。
- 自分とは違う文化や価値観に触れる
- 遠い国の出来事と、自分の日常を重ね合わせて考える
- 登場人物の選択を通して、自分ならどうするかを問い直す
この「旅」に参加する感覚が、ドラマや映画を見続けたくなる大きな動機になっているといえそうです。
日本のクリエイター・視聴者へのヒント
ヤング氏の語る「背景に根ざした物語」は、日本でコンテンツを作る人や、日本語で国際ニュースや海外ドラマを楽しむ視聴者にとっても、示唆に富んだ考え方です。
クリエイターへの示唆
- 「世界に通用する」よりも、「自分にしか書けない」を優先してみる
- 身近なコミュニティや日常の違和感を、物語の出発点にする
- 登場人物の感情のリアリティを最優先する
結果として、そのローカルな視点が、海外の視聴者にとっても魅力的な「発見」になります。
視聴者への示唆
- 海外ドラマを見るとき、「これは誰の背景から生まれた物語か」を意識してみる
- 自分の経験と違う価値観に触れたとき、そのギャップを楽しむ
- 作品をきっかけに、友人や家族と感じたことを共有する
こうした見方を少し加えるだけで、日常的に見ている国際ニュースやドラマも、単なる「消費」ではなく、自分の考え方を広げるきっかけに変わっていきます。
国境を越える物語をどう受け止めるか
マル・ヤング氏の CGTN での語りは、「物語はどこから来て、どこへ向かうのか」という問いを静かに投げかけています。グローバルに配信される作品が増えるなかで、視聴者一人ひとりもまた、世界各地の「背景に根ざした物語」と出会い、その意味を自分なりに考える時代になっています。
自分の世界を誠実に語ることが、結果として国境を越える。そんなストーリーテリングの力を、あらためて意識してみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
Mal Young on the power of authentic storytelling across borders
cgtn.com








